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《愈堕落愈英雄》(1998/香港)

 前回観た『ホールド・ユー・タイト』を受けて作られたとしか思えない(いや、その通りだって)アクション映画。ちなみに両作品に共通するのはプロデューサーのバリー・ウォン(王晶)と、主演のサニー・チャン。
 一度観ているんだけど、感想を書くために再見。とかなんとか言いつつ、実は昨日、普段は観られない『新・科捜研の女』で、久々にたっくんこと半田健人を観て「あー、久々にステの顔が観たいかもー」とか思ったこともあったりして(大笑)。

 白い服に身を包み、クールに仕事をこなしていく一條(ヤッティウ、サニー)とサム(アレックス)。黒社会の大物・道理に雇われている二人は命令で敵対組織の頭のジミーを殺すが、彼の右腕のブロンドを一條は殺さずに生かしておく。
その一方、一條は情報屋の馬の家で彼の妻のリン(キャシー)に出会い、恋に落ちる。リンとの仲が馬にばれた一條はとっさに馬を殺し、リンを手に入れる。リンに夢中になる一條にサムは付き合うのもほどほどにと忠告する。
 一條は母親と暮らし、彼と兄弟同然に育ってきたサムには息子ディディがいる。自閉症のディディは毎日同じマンションに住む青年サニー(ステ)と遊んでおり、彼にだけ心を開く。地元の古惑仔ロナウドたちともめていたサニーを助けたことで一條とサムは彼と知り合い、二人はサニーが警官を目指していることを知る。
 警察にジミー殺害の疑いをかけられ、絶体絶命になった道理は二人を消そうとするが、失敗する。母親とディディをリンに託した二人は逃亡するが、道理と彼に寝返ったブロンドによって捕えられる。重傷を負ったサムをかばって立ち上がった一條を迎えたのは、道理の女になって一條を裏切ったリンだった。衝撃を受けた一條はブロンドに指を切られ、彼の手下に激しく暴行される。
 一命を取り留めたサムは一條が医療刑務所にいることを知り、彼を強奪するが、一條はリンの裏切りと暴行がもとで精神を病んでいた。そして、一條の母とディディは道理の手下によって惨殺されていた。重慶大厦に移り住んだサムはささやかな殺しの依頼をこなしながら、心身ともに壊れてしまった一條の面倒を見る日々を送っていた。
 それから3年後、警官として活躍するサニーはロナウドたちに絡まれた少女チャーリー(リリアン)を助けた時、姿を消していたサムをネイザンロードで見かける。チャーリーと恋仲になったサニーは彼女の家に招かれるが、そこにいたのは彼とも面識があったリンだった。道理の女になったリンは彼のもとでのし上がり、香港競馬の駿馬のオーナーとして社交界の名声を浴びていた。チャーリーはリンの妹だったのだ。
 同じ頃、偶然テレビの競馬中継でリンの姿を見て激しく動揺する一條。発作を起こして外に飛び出した一條は道理の配下にあったロナウドたちに殴られる。彼を助けたのはサニーだった。やはり道理を追っていた彼は二人の敵も自分が追っていた共通の人間だと知る。そんな3人にも道理の次の魔手が伸びる…!

「愈○○愈××」という言葉は、中国語で「○○すればするほど××」という意味で使われる。だから、『ホールド・ユー・タイト』の原題の直訳は「楽しむほどに堕落する」となる(はず)。するとこの映画は「堕落するほど英雄になる」って意味か。てーことは要するに『汚れた英雄』?(←ちがーう!そりゃ別の映画じゃ)
 まず一言、一條とサムにつっこませていただく。おめーら殺し屋のくせに目立ちすぎ(爆)。大体どこの世の中にそーんなペラペラの白いジャケット(しかも時々ヤンキな方々の制服の特攻服にも見える)で殺しをするやつがおるねん。そりゃ確かに香港の夏は暑いからペラペラなスーツで夏をしのげるけど。とまー、かるーくツッコんでみたけど、サムと一條の白い戦闘服(呼び名も特攻服よりこっちのほうがいいか)は血を浴びても美しく見えるからと意図した演出側の配慮か。…でも、二人ほど血を浴びない刑事サニーも白い服ばかり着ていたな。もしかして監督、白服フェチ?(爆)
『ホールド』同様、この作品でも中心になるのは男と女と男の微妙で複雑な人間関係。しかし、キャラクターにゲイを配してリアルに迫った『ホールド』より、この映画の方がゲイっぽい感じがするのはなぜ?いや、正確に言えばゲイっぽいというよりやおいっぽいのだ。腐女子受けしそうな。
 サムは息子こそいるものの、基本的には女性嫌い。逆に一條は次々にガールフレンドを変えるほどの女好き。この二人は兄弟同様に育ってきて、一緒にコンビを組んだこともあって互いの絆は固い。でも、サムは時々は目を外しがちな一條を常に心配している。あまりに心配しすぎるので「きっとサムは一條を愛しているに違いない!」と考えるのは当然か。あまりにもわかりやすいし。重慶大厦にて心を病んだ一條の面倒を見、飯を食べさせてやったり粗相をしたら風呂で身体を洗ってやったりしてるし。見方によっては充分ラブシーンに見えるんだろーし、そこ狙ってるのもホント見え見え(笑)。とどめは復活した一條&サムとの決戦に挑んだリンの「オトコの世界なんて私にはわからない!」という台詞。ええ、そうね、確かにオトコの世界なんてわからないもんだわ。だから妄想膨らませやすいんじゃないすか、映画を観る女子は(大笑)。

 『ホールド』では全裸まで晒したサニーだけど、あの映画ではせっかくそこまでやったのに全くエロさは感じなかった。しかしこの映画での一條は服を脱がなくてもエロい。特に前半は水に濡れながら服を着たままリン(こっちも服を着たまま水に濡れている)と絡む。やればできるじゃん(おいおい)。これと対照的に後半では裏切りと暴行(ブロンドたちにヤられたんじゃないか?でもそれはストレートすぎるか)で精神を破壊され壊れまくる。これも捨て身だな、と思うくらい壊れていた。すごいぞ。
 でも“三角まゆ毛のアレックス”こと方中信さんは、サニー以上にセクシー。サムは『ブエノス』でのトニーを彷彿とさせる丸刈りに細身の長身、筋肉のつき方も言うことない(こっちも脱がないけど)。ランニングかピタピタのカットソーでカラダの線をアピール。そして刀や銃を片手に街を走り回る。いやぁ怖いぜ。でも中信さんが演じた役の中ではこれが一番カッコいいかな。
 そしてサニーことステ。実は私にとっての初ステがこの映画だった。おかげでステに対しては最初から好印象だったよ。サニーの登場シーンでは白Tシャツに白のショート丈トレパンだったので、どこの小学生だこいつはと思ったが、小学生にしちゃ体格がご立派。古惑仔どもに絡まれても笑顔は絶やさない。某ほほえみの貴公子にも負けない笑みだったぜ。助演ということもあってか、前面に出ることはなくてもきちんと演技してました(そりゃ当たり前やねん)。この努力が初監督作品につながるのか?(その映画自体、売れてたかどーか知らんが)
『ビーストコップス』の演技を観て華がない…といい続けていたキャシー。今回も華があるとは言い切れないものの、典型的な成り上がり女でそこは観てて面白かったわ。よくよく見ると、最初からやる気満々なんだよねー彼女。「アタシに振り向かないオトコなんかいない!」ってずっと思ってたのかなぁ。だから彼女はサムにずーっと嫉妬してたんだな、きっと。

 ストーリー仕立てや裏読み可能な演出から、腐女子の皆様に観ていただけたらいくらでも妄想広げられそうな映画ではございます。欠点としては、サニーと中信さんがいわゆる一般的な美男じゃないことと、彼らに迫ってモノにしてしまおうとたくらむ人間が悪役に不足していることでせうか。そのへん非常に惜しい!と思う次第ですわ、ハイ。

原題:Cheap Killers
監督:クラレンス・フォード 製作&脚本:バリー・ウォン
出演:サニー・チャン アレックス・フォン スティーブン・フォン キャシー・チャウ リリアン・ホー

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