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2004年3月

『もういちど逢いたくて・星月童話』(1999/日港合作)

!注意!今回はかなり暴言が連発されることが予想されます。この映画をこれから観ようと思っている人およびこの映画が好きな人、この映画の主演男優&主演女優を熱烈に愛している人はここから先は読まないことをオススメします。万が一読んでしまって不快な気分になってしまった場合、筆者は一切責任を負いませんのでご了承ください。

 ああ、ついにこの映画について語るときがきたか…。
何度となく言っているのだが、どんなトホホ作品でも香港映画なら「許せる」感があるのだが、それでも、どうしても許せない映画というのがある。でもさぁ、嫌いな映画の感想って書くの難しいんだよねぇ。でもなんとか書いてみよう。
もとはしにとってはオールタイムワースト香港映画はこの『星月童話』なのだ。

いつもなから個人的なことから感想を…。
何度となく書いてきたが、ワタシはラブストーリーがキライだ。もちろん、すべてのラブストーリーを憎んでいるわけではないが、特にキライなのが90年代初頭に日本で氾濫したトレンディドラマに代表される薄っぺらい恋愛ものだ。いつも同じ顔ぶれの俳優陣でストーリーもあってなきが如しだし、それよりも主人公たちの着ていた服やロケを行った最先端スポットばかりが話題になる。なんかそれが馬鹿馬鹿しくて見られなかった。それと同時に、バブル時に確立されたクリスマスやバレンタインデーの恋愛イベント化で、日本の若者の「恋愛体質」が進行していったことも引いてしまう要素となったし、なによりも自らが恋愛体質ではないので、「どいつもこいつも愛だ恋だ言うなぁー!」なんて吠えていたのであった。心の中で。
そんなふうに月に吠えていた(やや誇張気味)90年代に、「トレンディドラマの女王」として君臨した女優がこの映画の主演女優だ。ちなみに彼女とワタシは同世代である。念のため。

 香港人の母親を持つ日本人ホテルマン達也(レスリー)との結婚を控え、幸せの絶頂にいたOLの川村瞳(常盤)25歳。しかし、車の運転中に達也の携帯を瞳がとってあげなかったことが原因で事故が発生。瞳は生き残り、達也は死んだ。達也の死が認められない瞳は、彼の故郷でもあり結婚後に彼が勤務することになっていた香港へ飛ぶ。同じ頃、香港ではマフィアの金(カオ・ジエ)のもとにもぐりこんでいた刑事セッ・カーポウ(レスリー)が瞳の滞在したホテルに張り込んでいた。カーポウが危機を察知してとっさのカムフラージュをした時にこの二人は出会う。恋人と同じ顔をしたカーポウを見た瞳は達也が生きていたと錯覚し、カーポウを追いかけるのだが…。
 ストーリーは観たままを書いてます。公式発表と違うのは充分承知。
まずは製作発表から思っていたことだが、「死んだ恋人と瓜二つの男性と出会い、お互いに愛し合う」物語ってあまりにもベタ極まりなし。だいたい愛しの達也と同じ顔だからって同じ人間じゃないってわからんかなぁ瞳よ。情緒不安定だからってその行動ってどーなんだよ!ってつっこんだこと数度。見知らぬ男の部屋に上がりこんだらレイプされる可能性があるってことくらいわかれよ!たとえ香港といえども外国なんだから、無防備にしてたらカモにされるんだぞ日本女子。…そうそう、瞳は片言だけど異常にヒアリングがいい広東語を操るわりに、香港にそのまま日本の習慣を持ち込んでるんだよね。海外で日本と全く同じ料理が作れるとは思えないけど、いくら当時の香港が日本ブームに沸いていたとはいえ、なんかなぁ…って気分にさせられた。
 カーポウは潜入捜査官なんだが、襲撃事件の末にマフィアと警察双方から追われることに。当然彼にくっついていた瞳もそれに巻き込まれ、二人で逃亡する羽目に。『無間道』のようなハードボイルドな雰囲気はないけど、カーポウとマフィアたち、そして警官たちの攻防は非常に見ごたえがあった。演出も色合いやカメラワークも最高。このトーンでどんどんストーリーを進めてほしかった。だけどなぁ…この物語は所詮ラブストーリー、アクションはあくまで脇役なのだ。だから中途半端になってしまいガッカリするしかなかったのだ。カーポウと瞳は新界の牧場に逃げ、彼の死んだ妻の姉(ミシェル・ヨー)に出会う。彼女から瞳はカーポウの過去を聞き、やはりカーポウ=達也ではないと自覚する。姉もカーポウが好きだったのだろう、しかし、潜入捜査官である彼を心配するあまり情緒不安定で自殺してしまった妹の思いを考えると、じっと見守るしかなかったのか。ここでのミシェル姐さんはサイコー。一気に画面を引き締めてくれたんだが…瞳よ、ぶち壊すなよぉ。
 このあとはなんのかのあって、ヴィクトリアピークでハッピーエンドを迎えるのであった。…しかし、うまくやっていくというより、瞳は今後もあの調子でカーポウを振り回していくんじゃないかなぁ、と思うと…。

 常盤嬢はこの映画が初主演だったとか。書き下ろし脚本とはいえ、初主演で「憧れの人(本人談)」と共演、海外合作とかなりデカイ話で本人はビビッてんじゃねーか、と思いきや、全くそうではなかった。きっと彼女、プレッシャーとか感じないんだろーな、最近出版されたエッセイでもかなり天真爛漫に書き綴っているから、何事においてもひたむきで年齢を感じさせないくらいに無邪気、それゆえにお茶の間で大人気、ドラマ撮影現場でも評判がいいらしい。だけど…、映画とテレビは違うものってのは、演技者であるのならひたむきで天衣無縫ちゃん(天然ちゃんとはそれは違うか?)でもちゃんとわかるもんじゃないかなぁ。映画での彼女の演技がテレビと全く同じものだったので、映画を見慣れているこちらから観ると、あまりにもきつかったのだ。頑張って広東語を修得し、撮影時に自分でいろいろチャレンジしていくのは悪くない。しかし、テレビでは演技派に見えるとはいえ、映画で顔だけ(しかも表情はパターン化)の演技は辛いのだ。『南京の基督』での富田靖子は声こそ吹き替えられたものの、彼女の演技全体は台詞が本人の声ではないハンディを吹き飛ばすくらい感情豊かだったので、そういう前例と比べてしまうと、この映画にヘコむのだった。あんな無邪気な日本女子より、もうちょっとしっとりして意志がしっかりした演技だったら、まだ話にあったと思うんだけど。そう、ミシェル姐さんのような大人の女。彼女やマギーやカリーナなど、香港のオトナな30代女子(皆さんもう40歳近いけど)が好きだと、瞳のキャラがとにかく幼稚で、自分もまた幼稚だから観ていて腹立たしくなってきちゃってさぁ…。同種嫌悪というほどワタシは常盤に似てないがな。名前はいっしょだけど。(ワタシのフルネーム「もとはしたかこ」だからね)
 レスリーはさすがに女性に優しいからうまくフォローはしてあげているけど、やっぱり日本人役がきつい。『東京攻略』のトニーのへっぽこ日本語に負けていない。誰か何とかできなかったのか、達也役に椎名桔平を起用するとか(おいおい!)でもさぁ、なんでレスリーはこの映画に出たのかなぁ…。それはオファーがあったからっていうのは事実だけど、カンヌウィナーの『覇王別姫』や『欲望の翼』でアイドルから演技派男優に脱皮し、歌手活動復帰後は彼にしかできないステージングを見せたレスリーなら、もっといいストーリーでのオファーがあってもおかしくなかっただろうし、日本で自分をアピールできるからといっても、日本で共演するなら山口智子とか薬師丸ひろ子くらいの(まさにカリーナやマギーと同年代だ)ヴェテラン女優あたりだろう。…黒木瞳も可だったか?でもファンから反発きちゃうか。やっぱりさぁ、今思えばこれは間違っていたと思うよ。だって、1年前のあの日以降、ワイドショーでレスリーのプロフィールが紹介されたとき、「常盤と共演した香港俳優」っていう一言と、この映画のシーンが繰り返し流されてしまったもの…。こういう情報で一般人にレスリーのことが記憶されると思うと、ファンじゃなくてもワタシは悔しい思いをしたんだもの。(関係ないけど、サッカー好きの某ラジオパーソナリティーが自分の番組で「香港四天王の一人レスリーが…」といっていたときも悲しかったもん。彼が四天王なら誰が抜けるんか?なんてとっさにボケた自分も悲しかったもの…)

 なによりも、せっかくの香港映画だったから、恋愛よりもアクションメインでいってほしかった。香港でラブストーリーだからといって、日本のドラマ作りと同じように映画作りを考えているのなら『君さえいれば』や『恋する惑星』と同じ、いやそれを超えるものは作れない。骨の髄まで香港映画に冒されていて、日本の若者の恋愛至上主義に辟易しているもとはしのような人間にとっては素直に受け入れることができない映画だった。「香港映画で日本人が日本の様式そのまま持ち込んでトレンディドラマ作んじゃねーよ!おまけにちっとも異文化交流になってねーぞ!」と月に向かって吠えた、5年前の初夏だった。

 この長文を読んでご気分を乱された方、申し訳ございません。海より深く反省しております。というわけで次回は、お詫びも兼ねて私のすきなレスリー映画の感想をアップいたします。予定としては『覇王別姫』か『狼たちの絆』です。ではでは。

英題:starlight express
監督:ダニエル・リー 脚本:青柳祐美子&ロー・チーリョン 音楽:松本晃彦 アクション指導:ドニー・イェン
出演:レスリー・チャン 常盤貴子 ミシェル・ヨー サム・リー

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『流星』(1999/香港)

 この映画は社会派映画なので、社会派なトピックから話を始めたい。

 現在香港で発表されている最新の失業率は7.3パーセントだそうだ。↓詳しくは『中国情報局』の記事を。

 香港:失業率横ばい、自ら救おうの呼びかけ切実

 日本の最新失業率も調べたけど、正確な数字が探せなかった。とりあえず昨年末の失業率5.1パーセントと比べてみると、SARSや景気のことを引いてもやはり高い。この事実を知った時、驚いたものだった。
 いつも香港へ行くと街の方しか行かないこともあって、香港の賑やかな面しか目にすることがない。東京やニューヨークはもちろん、世界の最先端を行く都市には光に隠れた陰の面があるのはいうまでもないのだろう。
 香港の社会派映画監督ジェイコブ・チャンが作り上げた『流星』は、きらめいている都市の陰で貧しいながらも幸せで、ささやかに生きていく人々に光を当てたドラマ。

 かつてはやり手の株アナリストだったウェイ(レスリー)は突然の株暴落により失脚。何もかも失った彼のもとに置き去りにされていたのは、男の子の赤ん坊だった。老人ホームを営むラン(キャリー・ン。金像奨最優秀助演女優賞受賞)の家に間借りし、その日暮らしの仕事で生計を立てながら、ウェイはミン(エリクソン・イップ)と暮らしていた。ミンはウェイやラン、ランに思いを寄せる警官ルン(ティ・ロン。金像奨最優秀助演男優賞受賞)や下町の人々に囲まれて、のびのびと成長していた。そんなある日、二人は慈善家のリャン(キーキー)と出逢うが…。

 いやぁ、ええ話や。世俗にまみれたもとはしもついつい癒されてしまいまふ、ミンことエリクソン君に(^_^)。
今はもう大きくなったんだろうなぁ。最近の香港映画では子役がメインに出ることがないこともあって、演技の確かさなどは印象的だった。父親代わりのウェイを慕いながら、お互いが頼りあうというよりは対等なスタンスで生きているって感じだったなぁ。
 そして彼にも負けず印象的だったのが、気丈なランとまじめで不器用なルン警官のささやかな恋模様。ランのあっけない最期で恋は終わってしまうけど、主人公にではなくサイドエピソードにこんな恋物語を配したジェイコブさんの手腕はお見事。このカップルで金像奨受賞は納得。
 そしてレスリー。自らの演技は控えめで、エリクソン君を立てているような演技に共感。今思えば「すんごく生活に困ってます」感がもうちょっとあっても悪くなかったかもしれないけど、映画だからそれをあまり徹底するのもなんだしね(^^)。
 この映画は3年前に観たっきりなのでもう記憶もあやふやなところがあるんだけど、いま観直しても素直に感動できるかもしれないなぁ…。 

 英題:The Kid
 監督:ジェイコブ・チャン 
 出演:レスリー・チャン エリクソン・イップ ティ・ロン キャリー・ン キー・キー

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『恋戦。Okinawa Rendez-vous』(2000/香港)

 今週はレスリー・チャンを偲び、これまで感想を書いてなかった作品を幾つかアップしていきます。まずは、レスリー&フェイ・ウォン&レオン・カーファイの豪華共演と全編沖縄ロケが話題になったこの映画から…。ツッコミは相変わらず多いので、あらかじめご了承くださいませ。

 まず本題に入る前に、ワタシの好きな恋についての名言を紹介しよう。
 

恋とはなんでしょう?それは交通事故のようにやってきて、人の頭をわるくします。
             -黒田硫黄「ラブゴーゴー」from『映画に毛が三本!』(講談社刊)より

 恋する当人は至って必死なのに、それを傍観している人にとっては笑うしかないという瞬間が人生にはよくある。それは恋に落ちると冷静さを失ってしまい、欲望も名誉も使命もどーでもよくなってしまうからだ。この映画を観てつくづくそう思ったのであった。…もっとも、これを笑いながら馬鹿にしている人間にも馬鹿になってしまうような恋の瞬間が訪れるのは言うまでもないのだろうけど。今これを書いているもとはしも含めて。

 日本の若きヤーさん佐藤(加藤雅也)の元から、大金を持って逃げ出した香港人ジェニー(フェイ)。ジェニーと付き合っていてラブラブだと思いこんでいた佐藤はすっかり意気消沈。それと同時に、警視庁によって押収された、佐藤の重大な秘密が隠された手帳が、怪盗ジミー(レスリー)の手によって盗み出された。ジェニーによって運び出された金は、佐藤とジミーの取引金として用意されたものであったため、佐藤は沖縄でジェニーの行方を追う。空港でジェニーは香港警察のロー(カーファイ)と出会う。彼女のサンディ(ジジ・ライ)とどうもうまくいかないローはジェニーにひとめぼれする。さらにジミーもオープンカフェで出会ったジェニーにひとめぼれするわ、お尋ね者ジミーを腕利き刑事の振りして追ってしまう内勤警察官ローがいるわ、恋極道佐藤はおろおろするわで、曇天の沖縄で熱い恋のアクシデントが展開する…。

 なんかねぇ、「レスリー&フェイ・沖縄・恋愛」という三題噺のような話だったのを覚えているわ。上のあらすじ紹介、かなり破綻しちゃっているけど、ホントにそんな話だったんだよ。ワタシにとっては。冒頭、警視庁にジミーが忍び込むシーンがあるんだが、制服でカムフラージュしているとは言え、そんな目立ちまくって派手な警官は警視庁にはいませーん!ってツッこんだものー。
 ジェニーを演じるフェイは相変わらず何をやってもフェイ(注・いい意味で使ってます)で、ここでも飄々とした演技でレスリーやカーファイを翻弄。せっかくレスリーとの“夢の共演”なのに、ラブシーンがないのがほんっとに残念だったよ。しかしジェニー、なぜにあの佐藤の恋人になった?金か?それとも…(以下自主規制)。
 カーファイはジジ・ライ(黎姿)ちゃんというかわいい恋人がいながらかなり自分勝手な男の役だったけど、結構ハマッていた。さすがベテラン。笑いもしっかりとってくれるし、安心して観られる俳優だなぁ。
 その黎姿ちゃんはキュートなビキニ姿を披露。イーキンの恋人を演じた『古惑仔』シリーズでは悲惨な最期を迎えるなど不幸な役柄が多い気がする彼女、この物語で一番幸せになるのは彼女なのだー。思わず、「よかったねサイサイ!」と『古惑仔』の役名で呼んでしまったりして(笑)。

 冒頭で挙げた言葉のように、ジミーもローもジェニーへの恋になんだかおかしくなり、本来の目的を忘れがちになるのはご愛嬌だが、彼ら以上に恋で頭が悪くなるのは本来なら「仁義なき極道」なはずなのに、ジェニーにメロメロになっており、彼女に去られてからは新しい恋に胸ときめかす恋する極道佐藤。…いいのか組員?こんな親分でよぉ。だいたい日本の極道ってこんなんやないやん、もっと倶利伽羅紋紋(字、これでいいのか?)としてるやーん。…あ、もしかしてこれって、前々回の《新戀愛世紀》の和平とキャラかぶってるのかも?ヤクザも恋すりゃただの人っていうやつかい?でもね、仁義もへったくれもなく愛を求めた佐藤さんは幸せになるんです。よかったねぇって言ってあげたいざんす。でもさぁ、ヘコんでいるのを見計らって出入りとか考えなかったんだろうか、他の組は?…おいおい、それはまた別の話でしょう。
 この映画、公開時は確か“フランス映画のような展開”云々ってコピーがあったような気がするのだが、それって単に登場人物がみーんな恋愛体質だからってことじゃないのか?かつて『アメリ』を観た時、あるキャラクターのエピソードから、フランス人っていつも恋してなきゃ死んでしまうような恋愛体質なんだな、って思ったことがあったけど、偏見かな?

 …しかしこれ、全然レスリーを追悼しているような感想にはなっていないなぁ。
それはワタシがレスリーを尊敬していて好きであっても熱烈なファンではなかったからか?マジファンの皆様、ホントーにすみません!もとはし、こーゆーキャラなので、どうかこんな感想で許してください!

 …さーて、次回は何の感想書いてツッコミまくろうかなぁ♪(←おいおい!)

 監督:ゴードン・チャン 製作:チャールズ・ヒョン イメージコンサルタント:ウィリアム・チャン
 出演:レスリー・チャン フェイ・ウォン レオン・カーファイ ジジ・ライ ヴィンセント・コック ステファニー・チェ 樋口明日嘉 加藤雅也

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『鹿鼎記』完結&『レスリーの時間(とき)』

 この間やっと届いた『中華モード』をまだ読み終えていないので、今日は中華芸能関係本を2つご紹介。

 まずは、1996年から刊行されていた徳間書店の“金庸武侠小説集”最後の作品が堂々の完結。

 『鹿鼎記』(全8巻) 金庸著 岡崎由美&小島瑞紀訳(徳間書店) 

 テレビではトニー・レオン(映画もあるか?)、映画ではチャウ・シンチーが主演した、金庸作品では最長の短編にして、最後の武侠小説。娼館に生まれ育ったお調子者で女好きでよわっちい少年、韋小寶が、持ち前?の悪運と口八丁手八丁を武器に、朝廷と秘密結社の二重スパイになり、(しかも話を追うごとにだんだん三重にも四重にもなっていく…)双方でどんどん出世していっちゃう“中華なわらしべ長者”物語。トニー版のドラマは全部観る機会があったのだけど、すっごく楽しかったわ(^o^)。星仔の電影版もそのうち観よっと。
 ちなみにもとはしは2巻まで読了。全巻読んだら感想書きますわ。
 も一つリンク貼りますが、これはBOOKアサヒコムから。北上次郎さんの親切な書評に感激っす。

 次は、あれから1年経っちゃったんだなぁ、と思わずしみじみしてしまうこの本。

 『レスリーの時間(とき)』 志摩 千歳著(産業編集センター)

 この本、もちろんレスリー迷の皆様はとっくにcheckしていると思いますが。
あの2冊のゴージャスなレスリー写真集を発行した会社の本なので、おそらくその頃の裏話などが紹介されているのでしょうね。読んだ方は是非ご感想など教えてくださいませ。ワタシはとりあえずcheckのみですので(こらこら)。

 そうだ、そろそろレスリー作品の感想を書く準備しなくちゃなぁ…。

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《新戀愛世紀》(1998/香港)

 今日は7年前の旧作映画をReview。1998年といえば、香港では九龍半島にある啓徳空港が操業を停止し、ランタオ島に建設された新空港が開業した年。また、当時の香港は空前の日本ブームに沸いていたことも印象的だった。そんな年に作られたこの映画は、レオン・ライとカリーナ・ラウ、そしてこの当時はまだまだバイプレイヤー的存在だったすーちー出演の、明らかに日本の某トレンディドラマをパクっ…もといお手本にした“香港ラブストーリー”。

 1992年。株ディーラーのビル(リヨン)と化粧品店で働く美穂ことマギー(カリーナ)はお互いの仕事や今後の生活の考え方などの相違からいったん別れを決意した。「もしまた出逢って、お互いに成功していたらよりを戻そう」と。マギーにふさわしい男になりたいと決意したビルは、親友の歯科医サニー(マーク・ロイ)の薦めで、彼の妹ムーン(リー・アン)と共にアメリカへ。
 1998年。一流のビジネスマンとして成功したビルは秘書になったムーンと東京にいた。彼には人気女優のジョイ(すーちー)というガールフレンドがいたが、気ままなジョイにビルは振り回されてばかり。渋谷でジョイと喧嘩別れしたビルはスクランブル交差点で6年ぶりにマギーと再会する。久々に話し込んだところ、マギーは香港一のマフィアの首領・和平(マーク・チェン)との結婚を控えていた。彼女の気を引くためか、とっさに「失業してて…」と嘘をつき、香港へ帰るビル。サニーやムーンの力を借り、和平と「対決」してマギーを振り向かせたいビル。しかし、いろいろと邪魔が入る。
 マギーを追い求めるビル、タイミング悪く現れるジョイ、ビルを助けながら密かに彼に思いを寄せているムーン、自分を助けてくれる和平と昔の男ビルの間で揺れるマギー。操業を終えた旧空港から飛び立った恋の飛行機たちは、どの新空港に着陸するのだろうか?

 注意:この映画は日本未公開なので以下の感想はネタバレバリバリで書かせていただきます。

「看板に偽りあり」。昔から香港映画にはよくあったことである。特に広告など見れば一目瞭然。この時代の香港映画界を仕切っていたといっても過言ではない娯楽大王バリー・ウォン(王晶)が作ったこの映画は、リヨン・カリーナ・すーちーとかなりすごい3枚看板を揃えておきながら、リヨン演じるビルが選ぶのは、しっかり者の昔の女マギーでも自由奔放な今の女ジョイでもなければ、今まで自分の一番側にいた女ムーンなのだ!見事に大どんでん返しなこの結末に至るのには普通に考えれば特別不自然ではないものの、年齢を重ねてますます女に磨きがかかるカリーナ、この映画の後にリヨンと共演した『玻璃の城』で大人の演技派女優として脱皮するすーちーと女優陣に恵まれているのに、彼のハートを射止めたのが、こっちが全く知らなかった女優が演じた役だったとは!ああ、スターシステムっていったい何…(T_T)。てゆーかリーアン嬢ってバリー・ウォンの趣味なの(確かこの映画を作ったのがチンミーと別れた後かなんかってことを考えると)?そしてこの結末、当時の香港ではどう受け止められたんだろう?それが知りたいわ。そーいえばこのリーアン嬢、この映画以外では全く観たことも聞いたこともないんだけど、今はいったいどーしてるの? 

 相変わらずでかいリヨン(また怒られそうなことを…)はビジネスでは自信満々でもマギーとの再会に心乱されてしまう始末。彼のトホホな演技は相変わらずだなぁ。カリーナのマギーは未来に不安を感じつつもしっかりした意志を持つしっとりした女性。キャラとしてはよいっす。トニーの彼女というとこも合わせて、彼女はマギー・チャンとともにもとはしの憧れの女性ざんす。すーちーのジョイはお得意のキャピキャピ(死語だ…)娘役。ビルを振り回しながらも最後は自分の意志で彼のもとを去る。(このへんご都合主義だが…)彼女の選んだ男がすごい。日本人ビジネスマン(斉藤義行。日本の俳優さんだと思うけど誰かご存知か?)なんだけど、その名も「加世大周」。できれば声を出して読んでください。そーいえばやはり日本ブームに沸いていた台湾では、この頃本家加勢大周がドラマに出て人気を博していたっけなぁ…(゚.゚)遠い目。
 同じ年に日本映画『てなもんや商社』に出て話題を呼んだマーク・チェンはマフィアだけどひどい奴じゃないので観てて安心。…しかし、いくらトレンディドラマを装ってもマフィアがフツーに登場しちゃう。後日Reviewを書く予定の『戀戦。』でも、フェイ・ウォンの元カレは日本のヤクザだったし。日本のフツーのトレンディドラマじゃ絶対ありえまへんこんな設定。…でもそれが香港のよいところかしらん。マフィアもおっかなくないし、フツーに恋するのよん(はぁと)とか言って。それもある意味よくないか。教育上とか。
 そして、噂のリー・アン嬢なんだけど、多分西洋の血が入っているんじゃないかなぁ。ちょっとミシェル・リー的雰囲気。キレイといえばキレイなんだけど、後にどこでも名前を聞かないのはさっさと結婚したからか?それとも単に注目しなかっただけか?でもおいしい役ですよねぇーホント。

 先に空港の話を書いたけど、この映画では新旧の空港が効果的に使われている。『ホールド・ユー・タイト』(後日書く予定)や『パープルストーム』でも啓徳空港が登場したけど、この年の映画はほとんど空港を懐かしんでロケしたような印象がある。ワタシは初香港で啓徳に降り立ったのが最初で最後になった。よく覚えてないこともあるけど、スリリングでいい空港だったよね。
 日本ロケの場面は笑ってしまった。ビルの泊まっているホテルはどーみても箱根。そこから東京に通っていたのかビルよ。渋谷でジョイと派手にけんかして、ランニング姿で放り出されるビルはマヌケ。そこで再会したマギーとビルが歩いていたのは当時は最新スポットだったお台場かも。エンドタイトルを見ていたら日本ロケ協力にアミューズの名前を発見。そーいえばこの頃はまだ韓国ブーム以前だったもんね…。
 かなりツッコミながら観たのだけど、最後に重要なツッコミ。ビルのフルネームは「ビル・ケイ」。…濁点と「ツ」を加えると米国の電脳公司の会長の名前になるんだなこれが(大笑)。

英題:Love Generation HONG KONG
脚本・監督・製作:バリー・ウォン 音楽・出演:マーク・ロイ
出演:レオン・ライ カリーナ・ラウ スー・チー リー・アン マーク・チェン 斉藤義行

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『映画でチャイニーズ』

今夜、書店でこんな本を見つけたので、ここでご紹介。

 『映画でチャイニーズ 中国映画30本+チャイニーズ』窪田守弘編著(南雲堂フェニックス)

 初歩の中国語会話を映画から学ぶということは昔からあったし(ワタシも『男たちの挽歌』北京語版で中国語を学習した。マジで)、いくつか本もでているけど、これは最近の映画を中心に紹介されているので、中国語と映画に興味のある方にはオススメ。もちろん広東語のページもあり。

 当初の発行より遅れたとのことだけど、もうちょっと公開時期が早かったら『英雄』と『無間道』もいれてほしかったかも。

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《生化特警 喪屍任務》(2000/香港)

 最初にこの映画の主演、スティーブン・フォンとサム・リーに関するどーでもいい独り言。

○香港映画に全く興味を示さない人にサムを説明するのには、やはり『ピンポン』のチャイナを挙げると一番わかりやすいらしい。実際、今まで出演映画をいろいろ観てきたけどこれが一番カッコよかったよ、サム。
○『仮面ライダー555』の主人公、乾巧(いぬいたくみ)を演じていた半田健人君を見るとすぐ「ステ!」と呼びかけてしまう。もっとも、たまーに「…ジェリー?」と言う時もある(笑)。

 この映画、日本では『ジェネックスゾンビ』の名でビデオ化。もうその名の通り、ゾンビが出てくるホラー映画ざんすー。

 アメリカで行われていた「無痛戦士」改造実験。その過程で実験体が突然暴れだし、次々と人を襲う。その実験に参加していた香港人のハリーも実験体に襲われ、体内に緑色の体液が侵入する。一方、香港・新界の国境に近い田舎町。ガールフレンドのメイにふられた刑事マルコ(ステ)は一人の古惑仔(サム)と出会う。そして古惑仔のボス・九兄貴(ン・チーホン)は街に繰り出した際にカラオケボックスで帰国したハリーと殴りあいになり、警察に収監される。緑の液体に冒されたハリーは収監された人間を次々と襲い、ゾンビ化させる。留置場を脱出した彼らは警官も襲う。地元マフィアによる九兄貴奪還を恐れて密室と化した警察署は“喪屍新人類(ジェネックスゾンビ)”の出現により阿鼻叫喚の事態に…。

 ホラーにストーリーなんか書いても意味ないっすね。簡単に言えばゾンビ+バイオハザード的状況にステとサムが立ち向かう話っす。ホラー嫌いのワタシにとって、ホラーにはA級もB級もないよなぁと思ったもんだけど、これはあえて言えばC級か(爆)。もっとも今まで観てきたホラーは怨念や幽霊が出てくる東洋的なものばかりだったから、アメリカンホラーでお馴染のゾンビが都会でなく田舎で暴れまくるこの映画は、なんかなぁ…って思ったもんだった。緑の血を流して人間を喰らって集団で這いずり回るゾンビたち。怖いとか不快感を通り越して笑いたくなったよ。はははははー。でも、ゾンビのエキストラってなんか楽しそうじゃないか?…アタシはやりたくないけど。
 ステはそこそこ活躍。でもこれはステじゃなくてもいい役なんじゃないか。サムはいつも通りのトラブルメーカー。ゾンビの魔手を逃れて何とか生き残るけど…オチは救いようないんだよ、これが。ま、それがホラーってもんか、ってオチだったわ(-_-)。

しかしなんでこう香港ホラーの感想ばっか書いてるんだもとはしよ…。ほんっとにホラー嫌いなのに。(アクセス解析してみてもなぜかホラー関係で来る人多いみたいだし…)一応これでホラーのReviewは打ち止めしたいけど、トニーの《等著[イ尓]回来》がまだ未見なんだよね。でもあれはホラーなのか?

英題:BIO-COPS
監督:チェン・ワイマン
出演:スティーブン・フォン サム・リー ン・チーホン

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《藍宇》(2001/香港)

 前回も書いたように、原作出典は大陸、単行本発行は台湾、映画製作は香港と中華圏をまたにかけた映画になったこの《藍宇》、オリジナルにのっとって舞台は北京、出演俳優も大陸の俳優、台詞も北京語だが、もちろんその内容から大陸映画にはできないので、製作も香港というようになったようだ。

 あらすじは原作のほうで書いたので省略。ここではまず、原作との違いから感想に入ろうかな。
 ストーリーはホントに原作に忠実なのだけど、大きな違いはハントンが彼の性的遍歴からランユーとの出会いから別れまでを詳細に語った原作から、映画は幾つかの場面を抽出し、ハントン(フー・ジュン)とランユー(リュウ・イエ)の行為や会話から省略された部分を想像していくという構成になっている。ハントンとランユーが一夜を過ごした次の場面で月日が矢のように飛んでいったり、ランユーをおいて勝手にロシア語通訳のリンさんと結婚したハントンが、次の場面ではすでに離婚していたりと、かなり大胆な省略が行われている。天安門事件前後の描写はいくらかわかりやすい雰囲気だけど、さすがに直接的には描けなかったみたい。(同時期の出来事を取り上げた『玻璃の城』や『君のいた永遠』もそうだったような)
 過去の中華製ゲイムービーに比べれば、セックス描写はそれほど頻繁に登場するわけじゃないけど、序盤にハントンがランユーを金で買った初めての夜にて、いきなり二人とも全裸さらしたのにビックリ。しかも○○○○…(品格をかなり疑われそうなので以下省略)。俳優キャリアが浅かったリュウイエ君と、ゲイムービーは『東宮西宮(ビデオ題:インペリアルパレス)』で経験済みのフージュンさんの二人が思い切りよすぎるのか、それともスタンリーさんが意図的に演出したのか?

『東宮西宮』ではゲイの青年に誘惑されたフージュンさん、今回はバイセクシュアルのプレイボーイで誘惑する側。タッパはあるし脱いでもいいカラダしてるけど、あんまりゲイっぽくないと思ってしまうのはなぜだろう?「ゲイっぽく見えないけど実はゲイ」という設定が映画としては感情移入に適しているのかな。…またはゲイの皆さんに好まれるタイプなのかフージュンさん?実際どーなんすかスタンリーさん?(こらこら聞くなって)
 この映画が2作目だったというリュウイエ君、あの『山の郵便配達』の純朴な息子の後にこの役を選んだっていうのはみんな驚いたんじゃないか?『小さな中国のお針子』『戀之風景』でも見せた清潔感はここでも生きてて、ハントンとセックスしても妙に童貞っぽい(笑)。結婚を決めたハントンに対して「ボクのこと見捨てるの?」といったように彼を見つめる顔を見て、リュウイエ君もまた子犬系明星なんだと確信。あと、あまり鍛えてなさそうなどんくさい裸体も妙にリアルだなぁ。むちむち気味な太ももとか、毛深くない脚も。
 どんくさいといえば、大陸で作った映画には、なんとなく埃っぽい色合いとか、最新モードでもどこか垢抜けない雰囲気があるんだけど、それを逆手にとりつつ、映画全体に絶妙なスタイリングを施していたのはお馴染のウィリアム・チャン。オシャレとは言い切れないけど、ハントンやランユーのキャラクターを絶妙に表現した衣裳や小道具も印象的だった。

 この映画には社会的な主張はない。あるのはただ、金で買った快楽が愛に変わっていく過程だろう。人を愛するのに性別は関係ない、好きになったのが同性でも、その人と気持ちをわかりあいたい、肉体に触れたい、一つになりたいと願うのは、社会上では禁じられても、感情では止めることができない。しかし、運命がその恋人たちを引き裂くことは止められなかったらしく、ランユーとハントンの愛は社会的に引き裂かれたのではなく、突然の事故によって幕が引かれたのだった。
 社会的な主張はないにしろ、映画の中には北京(中国)の「社会」と二人の愛が交差する瞬間があった。前述した天安門事件の渦中、学生デモに参加したランユーを必死に探すハントンと、軍によるデモ制圧が行われた後、疲れきったハントンの前にシャツを血に染めたランユーが現れた瞬間。抱きしめあいベッドを共にした二人には「世界が血塗られてもオレたちは離れられない」という思いがあったのかもしれない。恋人同士にとっては愛は政治より強い。そう思わされたこのシーンは印象的だった。

 最後はネタバレ気味だったけど、このへんは原作にもあったのであえて書いたりして。こんなところで感想は終わり。これより後は例によって蛇足な独り言なので、読み飛ばしてもいいっす。
 
 ほんの6,7年前までBLもゲイノベルもやおいも苦手なワタシだったのに、『ブエノスアイレス』をいろんなところで熱く語ってしまったのが原因らしく、周囲にBL好きだと思われてしまったらしい。これ以降、「ツァイ・ミンリャンはあまり好きじゃなーい」といいつつも『河』の衝撃のシーンを語りまくり、『美少年の恋』を短期間で8回観たり(ブエノスでさえ半年で6回が限度だった)、《藍宇》の前に撮られたスタンリー・クワンの『異邦人たち』を観て、大沢たかおと半裸のジュリアン・チャン(チョン・チーラム)が一緒にいる場面に「きゃー、チーラムが大沢くんを襲おうとしている~(逆でも可)」とかなんとか言ったくらいだから、やっぱ立派に腐女子の資格があるのかもしれないぞもとはし。トホホー。

 そしてこの映画も、今後きっと何度も見直すんだわ。日本公開なんて決まったら上京して映画館に通いそうだな、というか決まるのか?

英題:Lanyu
監督:スタンリー・クワン 脚本:ジミー・ンガイ 美術&編集:ウィリアム・チャン
出演:フー・ジュン リュウ・イエ

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『北京故事 藍宇(ランユー)』北京同志

 本日、やっと《藍宇》を鑑賞。今Reviewを書いている最中なので、原作本の感想を先にアップ。
なお、今回の文章は別名義で中華ものと無関係な某日記サイトに書いたものを加筆訂正した“funkin4hk version”なのでご了承を。

 『北京故事 藍宇(ランユー)』北京同志 九月訳 講談社

 自らゲイとカミングアウトした後、ジェンダーをめぐるドキュメンタリー《男生女相》やゲイの男性とストレートの女性を交えた複雑な人間模様を描く『ホールド・ユー・タイト』を発表したスタンリー・クワン。現在はプロデューサーも兼業している彼が注目し、香港映画でありながら北京を舞台に、『東宮西宮』《無間道2》の胡軍(フー・ジュン)、『山の郵便配達』の劉燁(リュウ・イエ)を主演に撮ったゲイムービー《藍宇》の原作。ちなみに訳者の「九月」さんは香港映画専門のフリーライター、浦川とめさんのペンネーム。浦川さんは以前「千夜ハルコ」のペンネームで『夜半歌聲』ノベライズの翻訳も手がけられていました。
 
 最近こそ、女子高生に人気の『Deep Love』シリーズ(全4巻)やドラマ化された市川たくじの『Separation』など、携帯サイトやネットで発表された小説が日本でも認められるようになったけど、インターネットはインディーズ小説の発表の場として最適なメディアだと思う。ただ、日本語だとどうしても読者層が限られてしまい、外国語に翻訳されない限り世界に広がっていかないと思うけど、この小説版『藍宇』は中国のネットで連載されて評判を呼び、台湾で単行本化されたものだ。各国・都市の中国語圏でのつながりなどを考えると、このようなケースは決して珍しくはないのだけど、この小説が話題になったのは、中国本土では禁じられている同性愛者の恋愛をテーマに取り上げられた小説だからなのだ。(ちなみにゲイは中国語で「同志」というスラングになる。だから作者名を日本語にすると「北京のゲイ」というようになる)
カンヌ映画祭パルムドール受賞作『覇王別姫』は同性愛を描いている点で問題になり、現代中国のゲイを取り上げた『東宮西宮』はカンヌ映画祭の“ある視点”部門に強行出品されたことが中国政府に問題視された。一方、香港ではゲイが主人公の映画は『ブエノスアイレス』や『美少年の恋』を始め、多数存在する。ついでに同テーマを扱った日本の一般映画は橋口亮輔監督の『ハッシュ!』や江國香織原作の『きらきらひかる』くらいかなぁ…。わりと少ないはず。

 中国の民主化が始まろうとしていた1980年代後半の北京。高級幹部のボンボンでベンチャー企業を営む陳捍東(チェン・ハントン)は男女を問わずベッドを共にするバイセクシュアルのプレイボーイ。そんな彼が、北京に来たばかりという北方出身の16歳の大学生・藍宇(ランユー)と出会う。最初は遊びと割り切って彼を抱いたハントンだが、これが初めての性の相手となったランユーは彼を純粋に慕い、二人はやがて心から愛し合うようになるが…。

 異性でも同性でも、人を愛する心は同じであると私は思うけど、今だに一般社会(特に男子の多い職場など)でそういうことを大っぴらにいうと思いっきり誤解される。(やれお前はオカマがいいってのかと何とか。なぜ一般的な男の人はオカマとホモとゲイを同じものって捉えてしまうのか?と考えちゃうんだけど…これはワタシの周りだけか?)
使い古されたフレーズだけど、愛の形はさまざまだし、障害があるほど愛は燃える。ハントンとランユーの恋愛は、たまたま好きになったのが同性で、自分たちが同性愛が認められない中国に生きているから障害が大きいってだけで、あとは至って普通の恋愛だ。恋愛にほとんど障害がなくなってしまい、中高生でも出会ってすぐセックスしちゃうようなチープでお気楽な日本の恋愛物語に飽き飽きしていると、こういうものが新鮮に思える。…なんてことをいったらいろんな人に怒られそうだなぁ。

 そういえば、私は商売上ボーイズラブ小説も多少は読むけど、あれも出来不出来が激しいので、ただただ意味なくラブラブなだけのはずれ小説に当たるとげんなりしてしまう。BL好き婦女子はこの小説をどんな風に捉えて読むのか知りたいなぁ。
 中華なBL小説といえば、角川ルビー文庫から出ていた『美少年の恋』ノベライズ版もあるので、これも過去に書いた文章を加筆訂正の上、近日Reviewをアップ予定。映画やコミカライズと一緒に感想をアップしようかな。

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《天下無双》(2002/香港)

 ミュージカル映画というと、普通思い出すのはやはり名作『サウンド・オブ・ミュージック』か。しかし、アジアにはミュージカル映画が意外に多い。かつて日本を席巻したマサラムービー『ムトゥ 踊るマハラジャ』もそうだし、2002年のめでたい旧正月を彩ったこの賀歳片《天下無双》もれっきとしたミュージカル映画。この映画は久々に王家衛がプロデュースし、あの『楽園の瑕』の替わりに作られた伝説の賀歳片《東成西就》こと楽園の暇、もとい『大英雄』を作ったジェフ・ラウが監督した春光映画(Block 2 pictures)製作作品。スタッフも王家衛作品の常連が揃い、造型はウィリアム・チャン(ちなみに美術設定は『南京の基督』の監督トニー・オウ)、音楽はフランキー・チャン&ローウェル・ガルシアとなんか『楽園の瑕』&『大英雄』を思い出させる雰囲気(実際音楽は『楽園…』のサントラが多用されたし)で楽しい。王家衛作品常連で《2046》にも出演するトニー&フェイ&張震に、脇は『花様年華』出演のレベッカさん&ロイ、かつて王家衛プロデュースで初監督作品『初恋』を作ったエリック・コットに加え、初参加のヴィッキー、なんとお久しぶりなアテナにニン・チン!と賑々しくめでたいキャスト陣。

 時は明朝初期。皇宮から若き皇帝(張震)の妹無双長姫(フェイ)が逃げ出したのが物語の発端。男装して旅に出た長姫がたどり着いたのが梅龍鎮という小さな街。そこで飯屋を営んでいたのが、小覇王と恐れられる一龍(トニー)と妹の鳳(ヴィッキー)。妹想いの一龍は鳳にピッタリの男を探していたが、店からこぼれた酒を見事によけた長姫を真の男と見こみ、なんとか妹の婿にしようと試みる。もちろん(笑)長姫は一龍にひとめぼれするが、都から迎えに来た皇后(レベッカ)の使いに捕まってしまう。長姫はなんとか逃げ出し、行方をくらます。妹の身を心配して皇帝自ら探しに出ることに。梅龍鎮にたどり着いた彼は剣客(ロイ)に襲われていた鳳を救い、一目ぼれする。男装の長姫を運命の人と信じていた鳳も皇帝に引かれていく。そして一龍は彼女の正体を知らずに長姫の行方を探すのだが…。

 賀歳片を観ていて気づいたこと。賀歳片には次の三要素が欠かせないと。

 1・たいてい古装片(時代劇)。
 2・男装の少女(または身分を隠したお姫様)がヒロイン。
 3・もちろんハッピーエンド。

 本編はこの《賀歳片三要素》を見事に満たしている。もーちょっと付け加えると、一度恋が挫折したり、妙な三角関係が展開したり…。現代劇だけど『君さえいれば・金枝玉葉』も似た展開だし。日本もお正月はテレビで時代劇を放映するけど、こんな破天荒な展開にはならないし、ましてやヒロインは元気どころか奥床しくて主人に従うタイプばかり。ま、国民性や歴史を考えるとこーゆー違いが出るのは当たり前なんだけどね(あ、日本の時代劇も好きです。念のためフォロー)。でも元気なヒロインを見て元気になりたいなら、お正月の時代劇より断然賀歳片かな(笑)。
 しかし、撮影当時はフェイ32歳、対して張震25歳。おーい、兄貴の方が年下じゃないか(笑)。それでもちゃーんとフェイが妹に見えるのだから不思議だぞ。もう一方の兄弟、トニー&ヴィッキーもかわいい。冒頭に登場するヴィッキーの男装もよい。…そしてちゃーんと男に見えるぞヴィッキー(こらこら)。
 トニーはかなりやんちゃな意地悪覇王。でも器は口ほどでもないってことがトニー的お笑い英雄か。やっぱりとことん笑わせてくれるので、『無間道』や『英雄』や『楽園の瑕』でシリアストニーを続けて観た後にこういう映画でガス抜きするといいんでしょーねー、ファン(含むもとはし)は。
 話としてはそれほど目新しいところもないし、よくある賑々しい賀歳片でせう。でも、王家衛はプロデュースに回った方が、いい映画が多いような気もすると改めて思ったよん。だって《2046》なんて全く期待してないもん。

 ところで、劇中でフェイ&トニーが歌う歌の形式って、広東劇のスタイルにのっとっているんだよねぇ?
…実は広東劇どころか京劇も観たことないので。映画で『覇王別姫』を観たからって京劇を観たことにはならないからね(^_^;)。

英題:Chinese Odessey 2002
監督:ジェフ・ラウ 製作:ウォン・カーウァイ 
出演:トニー・レオン フェイ・ウォン ヴィッキー・チャオ チャン・チェン レベッカ・パン エリック・コット ロイ・チョン アテナ・チュウ ニン・チン 

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陳凱歌新作《無極》撮影開始。

えーと、以前ここでも書いた陳凱歌の新作《無極》がいよいよクランクインしたそーです。

 陳凱歌監督:歴史大作『無極』、北京で撮影開始中国情報局の「中国情勢24」から。

 以前の記事では「いったい主役は誰やねーん?」とかなんとか叫んでいたのですが、記事を読むかぎりではニコラスが主役のよう。そうか、ニコか…。頑張れよニコ。

 関連して『天地英雄』に出た貴一ちゃんと『ジェネックスコップ』以降アジア映画での活躍が目覚しいトロさん(仲村トオル)のインタ記事にもリンク貼っておきます。これはasahi comから。

 

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《行運超人》(2003/香港)

「チョオットイーデスカアー。アナタワァ、カミウォ、シンヂマスカァー?」
「いんや、信じない」
「デワ、ウゥラナイワ、シンヂマスカァー?」
「いんや」
「ソレナラァ、フーウスイワァ、シンヂマスカァー?」
「てゆーかそーゆーこと言うてめー自体信じられねー」
…大馬鹿にして無意味な前振りにて失礼。

 昨年の賀歳片(旧正月映画)だったこの《行運超人》は、風水がネタのラブコメディ。もとはしは中華趣味人間のくせになぜか風水はよくわからないのでなんともいえないんだけど、確か香港島にある上海銀行と中国銀行のビルは風水によってあの位置と形に建てられたので有名だったっけ?そんな感じで風水は香港人や中華圏では身近なネタなんだな。

 ブティックで働く葉孤紅(以下ホン、ミリアム)はいつもやることなすことが裏目に出てしまい、時には疫病神扱いされるほどの不運の持ち主。災難にあわないように風水や占いに頼るホンも、その不運がもとでブティックをクビにされる寸前に。そこで彼女はカリスマ風水師の頼料布(以下リウポー、トニー)に診てもらう。彼の適切なアドバイスを実行したホンはなんとか仕事をクビにされずにすみ、ついでに職場の人間関係もよくなった。ホンはリウポーに愛と運命を感じたが、リウポーはホンに寒気とどす黒い不運の妖気を感じる。なぜなら代々風水師の家系にある頼家には、先祖の時代に起こったある事件から、「葉家の人間にかかわるな。さもないと破滅する」という警告があったからだ。その障害を乗り越えて、愛し合うようになる二人。
 実は、ホンの不運は強力な風水師の蟹(ロナルド)が彼女に呪いをかけたためだった。ホンの運気が上がっていることに気づいた蟹はあの手この手で二人を妨害する。はたして、リウポーはホンの不運を完全に取り払うことができるのか?そして二人の恋の行方は…?

 やっぱり風水の知識が全くないので、そのへんの知識と広東語のボキャブラリーがあれば、リウポー登場シーンの風水に関するマシンガントークがもうちょっと楽しめたかなぁ。でも何も考えずに観ても十分笑えるぞ。ま、港産コメディってのはそーゆーもんだからね。
 トニーにとってはこの映画が『英雄』と『無間道』の後だったということを考えれば、演技に肩の力が抜けまくっているのは言うまでもない。抜けまくりすぎて鼻水たらすはアフロになるはと(笑)、とても40代中堅俳優がやるとは思えないことまでやってるぞ。…ここで思った。中堅香港俳優に必要なのは、多少のアクションをこなせる運動神経と多少自分を捨てて笑いを取ろうとするコメディセンスなのか。アンディとか観ててもそう思ったし。
 赤く染めた髪が印象的なチカちゃんことミリアム。《花好月圓》での、くっさーいけどめげない元気なお姫様役を見て、かわいいし結構コメディにもはまる子なのねって思ってたけど、ここでの役どころは…もしかしてキャラがちょっとサミーにかぶってるかな?と感じた次第。香港芸能界ではサミーと並ぶ二大コメディエンヌなのかなと思ったのだけど、実際はどーなんでしょ。でも、自分の運気のせいでリウポーの体調を崩してしまったという責任を感じて、せっせと薬膳スープをつくってあげる姿はハマっていたかな。この二人が再びコンビを組む《地下鉄》では、チカちゃんがどんな演技をしているのか、観るのを楽しみにしていよっと。
 意地悪風水師蟹役で見事に香港電影金像奨の助演男優賞にノミネートされたのが、久しぶりじゃねーかのロナルド・チェン(以下ロナチェン)。ロナチェンといえば、日本でも一般紙に報道された飛行機内で泥酔による暴力行為により逮捕された(んだよね?)ことで有名か?日本では彼の出演作品って…公開されてなかったか?今回のノミネートはその汚名を挽回できたか?って感じかな。女装姿も披露してくれたけど、観る角度によってはちゃんと似合っていた(笑)。さらに災難といえば、台湾で麻薬所持の疑いで逮捕されて悲惨な目にあったウィリアム・ソーも出番は少ないながら二役で出演。二人とももしかして災難を払いたくて出演したのかこの映画に(大笑)。
 このところ大活躍のチャップマン・トゥはマザコンのラッパーという、かなり笑える役どころ。しかしチャップマン、ますます顔が丸くなったなぁ。もしかして『無間道』の時から体重がかなり増えたんじゃないか?そーいえばこの後に出た『ツインズ・エフェクト』でも「体重が増えたから云々」がネタにされていたっけねー。『無間道』の時には「香港の阿部サダヲ」とか言ってあげたけど、この映画では「香港の(阿部サダヲ+荒川良々)÷2」といった感じかなぁ。
 あと、賀歳片なのでちょっと出のゲストも結構豪華ざんす。『ゴージャス』など自分の監督作品には必ず顔を出す、本業が俳優のヴィンセントさんはホンの働くブティックの店長さん。ホンの夢に登場するお父さん、この三角まゆ毛はもしかして…と思ったら方中信の方のアレックスさん。エンドクレジットをチェックしたら水泳王子のアレックス君(方力申)も登場していたみたい(顔知らないからまたどこに出ているのかわからなかったのさー)だから「ダブル・アレックス・フォンじゃんか」とかなんとか言って紛らわしいじゃねーか、なんて言ってたのよん。

…と、いろいろ言いつつも楽しく観させていただきましたわ。おわり♪
↓ジャケ写載せる代わりに以前アップした利是糖と一緒に撮った写真載せておきまふ。

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英題:my lucky star
監督&出演:ヴィンセント・コック
出演:トニー・レオン ミリアム・ヨン ロナルド・チェン チャップマン・トゥ ウィリアム・ソー アレックス・フォン(方中信) アレックス・フォン(方力申)

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《摂氏零度 春光再現(Buenos Aires zero degree)》

 1997年にカンヌ国際映画祭に出品され、最優秀監督賞を受賞した王家衛作品『ブエノスアイレス』。この映画についてのさまざまなエピソードは主演のトニー・レオンや王家衛のインタビュー、クリストファー・ドイルの『ブエノスアイレス飛行記』(プレノン・アッシュ)で語られてきたが、この《摂氏零度 春光再現》は未公開シーンや当時の台湾人撮影スタッフによるロケ地探訪を交えつつ、この映画がいかに作られたかが改めて語られたメイキング・ドキュメンタリーだ。

 メイキングにはこれまで知識として知っていた、全編カットされたシャーリー・クワン出演のくだりや、当初“トニーの死んだ父の男性の恋人”役だったレスリーの女装姿(なぜか反転カット…ほわーい?)、トニー演じるファイが自殺する場面などが盛り込まれているが、改めて知った物語もあった。自殺を図ったトニーは近所の中国人女性によって助けられたというエピソードがあったこと、そして、チャン・チェンとシャーリーがお互いに関わることになる話もあったこと。チャンとシャーリーの話はこれだけで1本の映画にできそうだが、王家衛は「トニーとレスリーのための映画」を目指したようで、そこにこだわらず結局カットした。これは当然だと思う。『ブエノスアイレス』は『恋する惑星』のような「イマドキの若者の二つの恋の物語」ではなく、「一人の男とその恋人の一つの恋の物語」なのだろうから。 レスリーのスケジュールの都合さえなければ、王家衛も「トニーとレスリーの物語」に存分にこだわって、濃密な恋愛模様を描きたかったのかもしれない。そんな映画も観てみたかったが、今実際にワタシたちが観ている作品とは、おそらく違うものになっていただろう。

 ワタシ自身『ブエノスアイレス』にはわりと思い入れがある。簡単な感想は本館に書いたが、このメイキングを観たら、あらためて見直してもう一度感想を書こうかなという気もしてきた。

BA_zero.JPG

監督:クワン・プンリョン&エイモス・リー
ウォン・カーウァイ監督作品『ブエノスアイレス(春光乍洩/happy together)』より
ラインプロデューサー:ジャッキー・パン 撮影:クリストファー・ドイル
出演:トニー・レオン レスリー・チャン チャン・チェン シャーリー・クワン ウォン・カーウァイ レティシア・イエ

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金像boys―続・香港電影金像奨に思ふ。

 前々回、異常に渋すぎ。といった主演男優賞候補こと、金像boysの皆さんざんす。

kinzo_boys.jpg

学友さんとアンディの髪が長いのは《江湖》での髪型か?しかし、ジャンユーの髪型も…。
一番後ろのラウチン、なんか「学友、華仔、鎮宇、おめーら髪型妙だよ!」とか言ってるみたいだぞ。

そうそう、今日『イノセンス』を観たんだが、プロダクションデザインを『不夜城』で5年前に金像奨最優秀美術デザイン賞を受賞した種田陽平さんが手がけていたので、全編に渡ってものすごーく中華趣味な世界が広がっていたのであった。さすがに円都(スワロウテイル)や新宿第2ゴールデン街(不夜城)を生み出した種田さんのデザインらしい東京だった…。うん、香港じゃなくて。

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『中華モード』(トーキングヘッズ叢書№20・アトリエサード)

 アジアCINEMA上映情報をのぞいていたら、明日こんな本が発行されるという情報を見つけました。
  

トーキングヘッズ叢書(TH series) No.20 中華モード~非常有希望的上海台湾前衛芸術大饗宴

 上海&台湾のアートや文学を中心に中国語圏映画(なぜか韓国もあるようですが…)特集もあるとのことで、まさにもとはしのような中華趣味人間必読の本かもしれないです。この叢書は以前「ウォン・カーウァイ×モー・イェン」という本を出していて、なるほどー、そーくるかぁ!どこへいくんだぁ?という感じで読んだものですが、今回はどういう方向にいくのだろーか?この叢書シリーズは内容によって面白い展開を見せることがあるので、ある意味楽しみだったりします。
 このシリーズは地元書店では入手できないのでbk1で購入しているのですが、明日発売のせいかまだ書誌データがアップされていませぬ。というわけで入手して読了次第、感想書きますので…。 
 
 そうそう、今後は中華関係本の感想もヒマな時にちょこちょこ書いていきます。今後の予定としては金庸の『書剣恩仇録』に『北京故事 藍宇』あたりかな。でも映画の《藍宇》を観てから一緒にアップするかもです。
 

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香港電影金像奨に思ふ。

 いろいろカキコミしてて後回ししてたのだけど、やっと書けるので今日はこれ。

 本場アメリカのアカデミー賞も無事終わった後、待ち遠しいのは4月4日に行われる第23回香港電影金像奨(昔は「香港アカデミー賞」と紹介されていたけど、ここ数年はなぜか「香港フィルムアワード」と翻訳されてますねぇ。なんででかな?)その後は香港電影節も行われるので、4月は香港がまさに映画の街になる月だ。…残念ながら、この季節にワタシは渡港したことはないんだけど。

 ノミネート作品は2月13日に発表済み。今年の特徴は「ジョニー・トゥ組VS無間道組」か。しかし作品賞候補ってジョニーさんの『PTU』が昨年のフィルメックスで公開された以外、当たり前だけど全部未公開じゃないか…(無間道続編は2作とも日本配給権がついたそうだけど)。

 主演男優賞候補は異常に渋すぎ。
 
 最優秀主演男優賞候補
  ラウ・チンワン《忘不了》ジャッキー・チュン《金鶏2》ン・ジャンユー《無間道2》
  アンディ・ラウ《大隻[イ老]》 サイモン・ヤム『PTU』

 トニー入ってないし(笑。去年獲ったからね)。誰が獲るか想像つきません…。

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DVD&HDDレコーダー購入。

…そして設置なんとか終了。

 いやぁ大変だった(^_^;)。うちはケーブル入れているのでチューナーの端子の付け替えやビデオとの連携で四苦八苦してたのだ。HDDの予約録画も試したし、『悲城情市』のDVDと《行運超人》のVCDで動作も確認したからなんとかなったな。そしてビデオもなんとか観られるように接続完了。
 ビデオテープがたまりまくっているので整理したかったのと、DVDが普及して利用しやすくなったのが今回のレコーダー購入理由。DVDはオンラインでもレンタルできるというので、あまりビデオ屋に行きたくないワタシ(笑)にぴったりかも。
 ああ、これで気楽にVCDを観ることができれば、デッキを買う前に購入した『悲城情市』と日本未発売の『ブエノスアイレス』メイキング《摂氏零度 春光再現》がやっと観られる…あとは観る時間をなんとかやりくりすることか。

 …もう寝ます。ビンボーヒマなしのもとはしでした。

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利是糖もらいました。

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 昨年の賀歳片《行運超人》VCDの上にのっている(光っててイマイチわかりにくいかな?)のは、今日の広東語教室でいただいた“利是糖”。
クラスメイトの方のカナダのお友達からのいただきものだとか。“利是”は広東語で「お年玉」を表し、独身者が既婚者からもらえるという特徴があるとか。…まだもらえるなぁ、アタシ(笑)。 そしてこのアメはお金がわりにあげるらしい。 

 ちなみにお味はフルーティーなミルク味でございました♪

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The snows(2001/日本・香港合作)

 祝!スティーブン・フォン(以下ステ)来日&初監督長編作品《大[イ老]愛美麗》完成記念に感想アップ(こじつけくさいなー)。ちなみに先日行われたステのファンパーティー、ワタクシは“フルタイム・エフェクト”ツアー中だったので参加しなかったのだった(…ってステのファンだったのか?>もとはし^_^;)。
この作品は昨年、みちのく国際ミステリー映画祭にて鑑賞。(本館の日記ページに書いたレポートに加筆訂正した決定版感想である)おそらく劇場未公開になる可能性が大きいため、多少ネタバレになるところもあるけれど、そこはご了承を。

 ずいぶん前から電影迷の間では多少話題になっていた、ステが出演する江戸川乱歩原作、共演が伊東美咲&谷原章介という、この『白髪鬼』。しかし、ステはいつの間にかハリウッドへ行ってしまい、いろいろオーディションを受けまくっているらしいと聞いた(現在は帰ってきている)時はすでにこの映画がどーなったかなんて誰も口にしなかったように思える。あれこれ調べてみたら、監督もあの『詩人の恋』のケイシー・チャンからぜんぜん聞いたこともないような人に代わっていたし、そもそも香港でも上映されていなかったというから、きっと何かあるに違いないなぁ。なんだろう?といろいろ思いながら来盛したステとともに映画を観たのだった。

 時は戦後、舞台は長野。えーとこの若き当主・林保(ステ)は友人の画家川村(谷原)と共に冬を過ごしていた。ある日林邸で開かれた舞踏会で、保は美しい女性瑠璃子(美咲)に心を奪われる。早速二人は結婚するものの、保は仕事で上海へ。彼の留守中に、もともと彼女に恋していた川村は瑠璃子と親密になる。保はチフスにかかって帰国して療養、その後に瑠璃子の妊娠が発覚し、二人は保に隠れて産まれたばかりの子供を殺す。さらに川村はスキーに出かけた際、事故で負傷した保の頭を石で殴って殺す。保は林家の墓(というか土蔵のようだったが…)に丁重に葬られるが、密かに息を吹き返す。墓から這い上がった保の髪は白髪に変わってしまい、傷を負った美貌を仮面に隠して「保の叔父・里見」と名乗り、川村へ復讐する…。

 …ああ、痛たたた。痛いよぉーこりゃ。いやぁ、香港でも未公開ってのはなんとなくわかるよーな。つーか上映中は心の中で突っ込みまくり、上映後に友人たちとツッコミ合戦を始めたくらいだもの。とにかく珍作だった。
 ワタシは本好きのくせに実は乱歩は読んだことがない。横溝正史の金田一は子供の頃に読んだけど、乱歩はTVドラマや映画で観たから、知ってるつもりになっているところがある。(『乱歩R』は観ていません。これで『白髪鬼』はやったのかな?)全体的な出来は、昔天知茂の明智小五郎シリーズ(明智は稲垣のゴロちゃんも演じてたっけ)を放映していた頃のような『土曜ワイド劇場』の雰囲気を目指したけど思いっきり失敗した?という感じだったかな。香港でも『リング』や『死国』等のジャパニーズホラーが流行ったので、アジアンホラーの先駆者になろうと意気込んでこんなふうになってしまったのだろうか。ステを使う意義もあまりないような…。監督こそ香港人だけど、スタッフロールを眺めていたらほとんど日本人だったしな。日本主導の企画だったのか?
 おどろおどろしく退廃的な乱歩作品だからとはいえ、えぐい場面も多数あり。特に川村が里見こと保に「新作絵画のインスピレーションとなるモチーフ」を贈られ、川村が「それ」を描くことにとりつかれていくところなどはかなりきつかった。原作でもそうだったのかな?このあたりは香港なら確実に三級片決定だろーな、というものだったよ。

 ステは日本人役なので声は吹き替え(担当は置鮎龍太郎氏)。これは『南京の基督』『kitchen』での富田靖子ちゃんの逆ヴァージョンね。結構渋い声に感じたので「え?こんな声でいいの?」と思った次第(笑)。この映画の撮影の時はちょっと太っていたみたいで、なんだかおちびに見えたが、川村が彼をモデルに絵を描くシーンでいきなりヌードを披露。しかも微妙なアングル。サービスカットかい?(*^_^*)このシーンからしばらく観ていると、「保と川村って実は愛し合ってるんとちゃうか?」と錯覚した(爆)。いや、ホントに。保が瑠璃子とラブラブしているときに川村が見つめている眼が妙にそーゆー感じだったのでね。
 その川村役の谷原君、白髪の復讐鬼里見に追い詰められて壊れていく怪演っぷりがすごかった。今までよく知らなかった俳優さんだっただけにちょっとこれから気をつけて観てあげようかな、なんて思ったりして。
 んでヒロインの美咲嬢だが…実はアタシ、彼女の演技観るのはこれが初めてなのよね。(邦画では『模倣犯』に出ていて、現在主演作を撮っているって聞いたけど)そんで、この映画が実質上の銀幕デビュー作だそーだが…。いやぁ、すっげー…だった(ファンの人ごめんなさい)!TVでは結構演技派なのに銀幕デビュー(それも合作)では期待を裏切る…演技だった某嬢を思い出したよワタシ。いや、それ以上か。なんかもう、はあぁ…って感じのものでしたわ。

 香港公開から日本公開まで3年かかった『フルタイム・キラー』もなぜそこまで放っておかれたか、観たときにはなんとなーくわかったけど、この映画の場合は香港ですら公開されていないというから、…まぁ、実際見てその理由はよくわかったわ。監督が交代した理由もね。
 ステよ、監督作品を作るために、この映画に参加したことはとってもいい経験になったことだろう。これからも、君の夢に向かって邁進してくれたまへ。そして《大[イ老]愛美麗》を引っさげて再びみちのくミステリー映画祭に来てくれい(願望)。

原題:白髪鬼(Face to face)
監督:ウォン・マンワン 原作:江戸川乱歩『白髪鬼』
出演:スティーブン・フォン 谷原章介 伊東美咲 石堂夏央 置鮎龍太郎(声の出演)

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『迷失東京』(香港タイトル)のこと。

 香港では一足先に公開された、ソフィア・コッポラ監督の『ロスト・イン・トランスレーション』。先日のアカデミー賞では主演のビル・マーレーの主演男優賞は逃したものの、最優秀オリジナル脚本賞を受賞してよかったねぇソフィア、と思ったもとはし。しかしこのソフィア、アカデミー賞受賞スピーチでこんなことを言ったそうでちょっとビックリしたのだ。

アカデミー賞監督「カーワイ監督作品の影響大」

今年の米アカデミー賞で最優秀脚本賞を受賞したソフィア・コッポラ氏が、受賞スピーチの席で作品に影響を与えた人物に香港人監督の王家衛(ウォン・カーワイ)氏の名を挙げた。コッポラ氏は『ゴッド・ファーザー』シリーズの監督として知られるフランシス・フォード・コッポラの娘で、昨年同氏が監督した『ロスト・イン・トランスレーション』で同賞を獲得した。1日付『東方日報』によると、コッポラ氏はウォン氏のファンで、『ロスト…』のストーリーについてウォン氏監督『花様年華』の影響を強く受けたとも述べている。
 
(The香港HP「今日のニュース」3月4日更新分より)

 

 はぁ、そうっすかソフィア、王家衛ファンなんすか、『花様年華』に影響受けたんすか!!
まぁ、彼女の映画は『ヴァージン・スーサイズ』を観た限りでは、オトメーなイメージを持っていたのだけど、そーいやぁ妙に音楽にゃー凝っていたよなぁ。その時に王家衛の影響云々は特に感じたことなんかなかったけどなぁ…。
 以前、『ラスト・エンペラー』でお馴染のベルナルド・ベルトリッチ監督が『シャンドライの恋』を撮った時に「王家衛の『ブエノスアイレス』を意識した」等とコメントしていたのを気にしながら観たところ、「…どのへんがブエノス?」と悩んだことがあった(笑。でも『シャンドライ』は好きよ)。

なんのかの言いつつ、欧州の映画人に影響を与えているってことか、カーウァイ。
んで、『2046』の製作(今は後期製作中?)は順調なのか?カーウァイ?

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始動早すぎないか?『インファナル・アフェア(以下無間道)』ハリウッド・リメイク

 日本公開時に「ブラッド・ピットがリメイク権獲得!」という紹介をされた時、妙にガッカリした思いがある『無間道』。(それは『the EYE』のコピーが「トム・クルーズがリメ(以下略)」だったときに感じたのとも同様だが)
 nancixさんのnancix Diaryで「監督はマーティン・スコセッシに」と読んだ時、なんでそんな大物に…とびっくりしたものだが、nancix Diaryとヤトウさんの***男 兒 當 自 強***で紹介されていた続報に再びビックリー。

 え~、ブラッド・ピットとレオナルド・ディカプリオの共演ですかぁ?

…あのー、ブラピ兄さん(39歳)でさえ目立つのに、そこにさらにレオ(28歳だったか)?
てゆーか、いくらオリジナルの二人の年齢設定がラウ28歳ヤン32歳(製作当時の実年齢はアンディ42歳トニー41歳)だったからとはいえ、この二人じゃえらく歳が離れているのはもちろん、なんかかみあわなさそうじゃない?
 ましてや、レオのヤン&ブラピのラウ(逆もまた然り)っていうのもどーかと思うし…。レオにとっては“大人の俳優”へ脱皮するためにはいい挑戦なのだろうけど、彼からトニーのような演技とヤンのキャラクターが引き出せるのかどうかまったく想像できないんだよね。
 まー、期待しない程度にノンキに待ってます。小説やマンガやオリジナルを超えた映画って今まで思い当たったこともないので。他のキャストも気になるしねぇ…。リー先生とかメリーちゃんも。

 それにしても、妙に始動が早くない?リメイク版の製作。邦画の『リング』から『ザ・リング』がリメイクされたのもかなり早かったし…。
 今のハリウッドってそんなにオリジナルのネタがないわけ?それもなんだか淋しすぎるよなぁ…。

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韓国・タイ・香港合作『Three/臨死』の日本公開決まってました。

先日『Three 2』製作決定かよ!の記事を書いた後に調べたところ、『Three』は『Three/臨死』の邦題で、春(5月以降かな)に東京のシネ・アミューズにて日本公開が決定したとのこと。しかし副題が『臨死』ねぇ…なんというか、コメントできない。確かに「死」で共通する3作品だけど。臨死だけにうっかり「死ね・アミューズ」と変換しそうに…大変失礼しました、シネ・アミューズさんm(_ _)m。

各短編のタイトルも邦題つけるのかな?それともそのままかな?お遊びとしてこんなのを考えてみたりして。

韓国編『memories』  →「韓国の恐怖・妻の帰還」
タイ編『the wheel』  →「タイの怪談・呪いの人形劇」
香港編『going home』 →「香港の戦慄・謎の隣人」

…結構ベタかな。どーもすみませんm(_ _)m。

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ウーさんはSF嫌い。

 先日、この春公開の映画『ペイチェック・消された記憶』プロモのため、主演のベン・アフレック(祝!ラズベリー賞最低主演男優賞受賞!笑)とともに来日していた、我らがジョン・ウー(呉宇森、以下ウーさん)監督。スポーツ紙等の話題はもっぱらベンの別れた彼女ジェニロペとのことが中心になったようだけど、中華者もとはしにゃそんなこた興味ねぇ。あれこれウェブ記事を拾い読みしていたら、毎日新聞のインタビュー記事に注目。

ところで、もともとSFは、「悪いことばかりが起こり、暗くて落ちこむような内容ばかりだから好きではない」というウー監督だが、この『ペイチェック』は、SF作家の大家、フィリップ・K・ディックの短編「報酬」を映画化したものだ。つまり、コテコテのSF。にもかかわらず、なぜ今回は、敢えて嫌いなジャンルに挑戦したのか。

 「私が作品を選ぶうえで重視するのは、ストーリーの面白さです。『ペイチェック』は、ストーリーが面白かったし、シナリオも非常に良くできていた。登場人物は人間的だし、19個のアイテムにまつわるアイデアも素晴らしかった。そのうえ、この作品には、人間は、自分の考えによって生きる道を切り拓けるという、あらゆる人間を勇気づけるメッセージがある。そこにひかれたのです」

…引用長くなりました。失礼いたします。
 ほ~、ウーさんってSF嫌いなんだぁ。確か以前、ウーさんはハリウッド映画の代表作『フェイス/オフ』について、「この映画の脚本、最初は全くのSFで、撮る気になれなかったから大幅に書き直してもらった」と言っていたことも思い出したから、ホントにSF嫌いらしい。でも『ペイチェック』の原作は『ブレードランナー』や『マイノリティ・レポート』の原作でもお馴染み、フィリップ・K・ディックの作品(映画と同名の小説はハヤカワ文庫SF)。ワタシ個人がディック好きだから擁護する訳じゃないけど、ディック作品はSF的小道具を使っていても、小説にこめられたテーマやメッセージにはかなり現代的に普遍なものがあると思う。(参考:『パープルストーム』のReview)だから、原作は実はそれほどコテコテのSFではないとわかった上で引き受けたのかもしれないね、ウーさんは。

 このblogでは、中華明星出演映画なら国籍を問わずにReviewを書くと決めているので、全く中華明星が出てこないウーさんや李安(アン・リー)さんのハリウッド作品の感想は取り上げないつもりだったけど、ここで感想書こうかな、どーしようかなぁ…、と考え中。ああ、早いところユンファとニコラス・ケイジの主演で企画されているという《華工血涙史》の企画を実現させてくださいな、ウーさん。

これ以下はもとはしのどーでもいい独り言。↓

 ディック作品はハリウッドで映画化されることが多いけど、フランスでも映画化されたから、舞台設定をいじれば香港でも映画化できそうな感じ。ディック好きのもとはしは『ブレードランナー』原作『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』のほか、『流れよわが涙、と警官は言った』という、自分に関する一切の世間一般的評価や記録を消されてしまった有名人の話が好きなんだけど、この小説の舞台を香港に持ってきて、主人公を現代のフツーの明星にして映画化するってのも可能かも。アンディ主演でいかがなものか?あと、中華圏じゃないけどベトナムが舞台の『父祖の信仰』(短編集『時間飛行士へのささやかな贈り物』所収)という短編は結構中華テイストの漂う作品。毛沢東批判を匂わせているので映像化はやばいと思うけど、主人公のベトナム在住の中国人にはレスリー、彼を誘惑する女性にはカレン・モクがいいかな…と、とーってもアンニュイなレスリーの『紅』のPVを観て、思いついたことがある。

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フルタイム・キラー(2001/香港)

 香港は多国籍都市である。中国人だけでなく、西洋人、東洋人、世界中のすべての人種が住んでいる。
この街で「プロ」で生きるということは、何か一つにおいて「プロ」であることを極められれば、後はどーでもいいらしい。『フルタイム・キラー』を観てそんなことを考えた(大笑)。

“O(オー)”こと小野(反町)。狙った獲物は必ず仕留め、任務のためなら知人にも銃を向ける、プロの殺し屋(フルタイムキラー)。…欠点は日本語しか喋れないこと(それもモゴモゴ喋るし)。
彼に対抗するのは新進気鋭の殺し屋トク(アンディ)。映画オタクで二胡を奏で、にやけた笑顔でキザにきめるフルタイムキラー。…弱点は、ある“発作”持ちであること。

 冒頭、マレーシアで任務をこなすO。すごい日本語を話す友人タケノに対してすごい中国語で返す。Oはこの時以外、全編をすべてモゴモゴ喋りの日本語で通す。いきなり話がずれるが、世界最強のプロの殺し屋、ゴルゴ13こと通称デューク東郷は名前こそ日系だが実は国籍不明らしい。そんな彼はマンガの中でこそ日本語で通すがきっと何ヶ国語もこなすに違いない。対して0は日本語しか喋れないからすぐ日本人だとわかる。それってアジアで殺し屋稼業するには不利じゃないか、小野さん?あと、冒頭こそビジネスマンを気取ってダークスーツを着ているが、それ以外はちょんまげ+タンクトップ&シャツのチンピラスタイルのファッション。なんかプロの殺し屋というよりプロの古惑仔?って感じじゃないか、小野さん(爆)?
 彼と対立するトク。暑苦しいタイでもアジアのどこでもいつもレザーの上下でキメキメ。『ハートブルー』に『エル・マリアッチ』、『レオン』などが好きらしい。広東語のほか、英語と日本語が話せ、日本人向けのビデオショップで働く小野のハウスキーパーで台湾人のチン(ケリー・リン)には最初日本語で話しかける。彼の日本語力はヤクザに「やだー」といった東京の中国人探偵のリン(トニー@東京攻略)や、自分のバンドメンバーに必ず「スケベェさん」をつけて紹介する香港人歌手(レスリー@来日コンサート)、そして日本に渡った米国軍人あるぐれん(トムクル@最後の侍)よりはまだましかもしれないが、それでもまだまだ~の域である。芸能界デビュー前に日本に短期留学していたニコの日本語力の方が上くらいか?
 そんな「プロの殺し屋」二人と関係を持つ台湾人女性チン。…んでチンよ、キミはいったいどっちが好きなんだ?
彼女を演じるケリー・リンは『超速伝説ミッドナイトチェイサー』でイーキンと車内で濃厚なラブシーンを演じてたのが印象的だったんだけど、今回もアンディとラブシーンあり。…しかし、そのエッチシーンにて「アンディ、そんなに激しいのになんでブラを外さないんだ?」と思ったのと同時に、ケリー嬢よ、いくら清純派風ファッションだからといえ、白にワイヤーなしのフルカップブラはダサいんじゃないか、なんでもっとかわいいブラ用意できなかったの?と変なところにツッコミ入れたアタクシ。…この観点って変?もっとも、その後にアンディが起こす“発作”シーンにびっくりしたもんだけど。

 しかしアンディ、最近彼の定番といえる鼻血出したり血やゲロ吐いたりする演技がなく、『無間道』の演技で「今まで“哀愁の鼻血野郎”とか“出血多量男”とか呼んでばかりでごめんねー、アタシは君を見直したわー」と思っていた矢先のアレは…。確かに反町に同じことがやらせられないとはいえ、酷いっす。…もっともこの映画、『無間道』の1年前の作品だからね。(アンディの血吐き演技は苦手。金像奨で最優秀主演男優賞をゲットした『暗戦・デッドエンド』の演技は確かによかったけど、血吐きシーンだけはどうしても許せなかったんだもの)
 反町選手については、先に書いたことの繰り返しになるけど、広東語ができなくて日本語だけの台詞にしてもらったんなら、もっとちゃんと日本語喋れよ!といいたい。あと、やっぱりこの俳優も某○月の女優さんと同じく、テレビフレームと同じ演技をする人なんだなぁ、と感じた次第。もっと精進せーよ。パパになるんでしょ?(久々の暴言失礼)

 監督は、香港映画の安心株・トゥさん&ワイさんコンビ。評判のいい“やりび”こと『ザ・ミッション(原題・鎗火)』や《PTU》は未見だけど、先にも挙げたアンディ主演の『暗戦』はカッコよかったし、ラブコメの『Needing you』も楽しかった。はたして今回はどう演出してくれるのかしら?とちょっと期待したけど、…なんか冴えてなかったなぁ。どーしたの?って言いたかった。O・トク・チンの3つの視点を交差させながら話を進めていく前半もまとまりがないと思ったけど、後半はいきなり彼らを追う香港国際警察のリー刑事(サイモン)の視点のみに収束されちゃって、ますます破綻してしまったんじゃないか?トクを雇ったものの、土壇場で彼を裏切る男を演じたトゥ&ワイ作品常連の林雪さんも、もーちょっと出番が欲しかった。

 なんか今回はかなりキツイことばかり書いてきたけど、1か所だけほめたい場面があったので最後にそこに触れようかな。クライマックス直前、トクとOがチンを挟んで西貢の料理店で“直接対決”する場面。最終決戦に臨む連中が「最後の晩餐」をとるこの場面の演出は映画の中で一番よかったと思う。…ただ、最終決戦のシーンで流れる音楽は、どこかで聴いたような見たような感が拭えなくていただけなかったけどね。

原題:全職殺手
監督:ジョニー・トゥ&ワイ・カーファイ
出演:アンディ・ラウ 反町隆史 ケリー・リン サイモン・ヤム ラム・シュー

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ツインズ・エフェクト(2003/香港)

 お待たせいたしました!アクセス解析ではなぜかこの映画でたどりついている方々が多いようなので早速感想を書かせていただきます!Ladies and Gentlemen,『ツインズ・エフェクト』

 “反吸血鬼同盟”のヴァンパイアスレイヤー、リーヴ(イーキン)はイギリスでのヴァンパイアとの戦闘で、恋人でありパートナーのリリア(ジョシー)を失う。同盟から彼の元に送られたのは、リーヴに憧れている半人前の見習いスレイヤー、ジプシー(ジリアン、以下ジル)。リーヴの妹ヘレン(シャーリーン、以下阿Sa)は、同年代の他人であるジプシーが自宅に同居するのが面白くなく、ことあるごとに彼女と衝突する。そんな時、ヘレンは恋人キョン(チャップマン)を振った現場に居合わせた青年カザフ(えぢ)と知り合い、恋に落ちる。このカザフ、実はヴァンパイア一族の王子であるのだが、人間の血を吸うことを嫌っている珍しい吸血鬼。しかし彼を追って、デコテス公爵(ミッキー・ハート)率いる西欧のヴァンパイアたちが香港に出没し始める…。 

 香港には珍しいダークファンタジー映画かな?そもそもヴァンパイアってモチーフ自体がすでに香港映画的ではないし。この設定を聞いて『吸血鬼ハンター“D”』を思い出したのは言うまでもない…。まー、『ハリポタ』や『指輪物語』(祝アカデミー賞11部門制覇)など、ファンタジー映画が世界的に認知されたことで作れたのかもしれないねぇ。ヴァンパイアものってホラーという感じではないし。…ところで、えぢ演じるカザフって、ヴァンパイア一族の王子のくせして、執事のプラダ(アンソニー)ほど西洋人っぽく見えない。もしかしてカザフのお母さんが東洋人でお母さん似(笑)?
 この手の映画なら本来主役であってもおかしくないイーキンは、今回脇に回ってTwinsをしっかり支える。う~ん、すっかりヴェテランね。オトナだ(笑)。でも、『古惑仔』以来おなじみのパターン“愛する人には劇中で死なれてしまう”というお約束はしっかり守られているのであった…(^_^;)。
 そして長身で涼しげな目元の阿Sa&ちょっと背が低くてまん丸眼のジル。彼女たちより10歳以上年上女子のワタシから見ても、とっても元気で魅力的。《見習黒薔薇》では阿Saがはじけていたけど、こっちではジルがかなりアクティブ。この二人がつまらないところで大喧嘩するシーンで狙ったようにワイヤー使ったアクションのムダムダ感はたまりましぇん(大笑)。このシーンを始め、映画全編に渡って彼女たちは共同監督のドニーさんに相当アクションをびしびし仕込まれたとか。そうよねぇ、やっぱ若い女子は動いて走ってバシバシアクションできなきゃ魅力的じゃないわ。日本の女子アイドル(グラビア系含む)もこれくらいやんなさい。そしたらアタシはキミらの名前を覚えてあげるよ(えらそーに!爆)。
 そんな元気な女子Twinsだけど、ヘレンがカザフに言う「生意気でごめんね、でも香港の女の子はみんなそうなの」という台詞は印象的だった。香港人じゃなくても日本人でも、20代じゃなくて30代でも(笑)、恋をしていれば好きな男子にこう言いたくなる一瞬はあるんじゃないかな。それはともかく、なんか等身大の香港女子の姿を感じた台詞だった。…ちょっと脱線気味でごめん。でも書きたかったんだ。

 特別出演で登場の救急隊員ジャッキーこと成龍さん。主演じゃなくてもちゃーんとアクションで場をさらうのはさすがだ!この救急隊員ジャッキーは、阿Sa演じるヘレンの知り合いみたいなんだけど、はたしてこの二人、どこでどーやって知り合ったのだろう?ヘレンがキョンの何度目かの浮気発覚でボコにして病院送りにしたときに救急車で運んでくれたことがきっかけで知り合ったとか?(そんな設定ないない)ヘレンがジャッキーの結婚式に潜り込む時に登場する面々がすごい。ジャッキーパパは『古惑仔』のサッカー好き牧師さんのラム・ソンイーさんだし、『古惑仔』では娘、ここでは嫁になるのがカレン・モク。晴れの日に大失敗をやらかす友人にチョン・ダッミン。もう大笑いするしかない楽しいシーンだったわ。

 昨年はSARS流行により一時的に映画館での観客動員数が激減し、レスリーやムイ姐が死んでしまって、電影界はもちろんのこと、芸能界にも辛い1年だったのではないかと思う。本当に淋しかった。しかし!かつての明星が喝采とともに退場すれば、彼らに代わってTwinsのような新しい明星が燦然と光を放つように現れる。すでに芸能界ではトップアイドルとして名を成し、主演映画も香港で大ヒットしている彼女たちだけど、今後もどんどん映画に出て、芸能界&電影界で光り輝いてほしいな。

原題:千機変
監督:ダンテ・ラム&ドニー・イェン
出演:Twins(シャーリーン・チョイ&ジリアン・チョン) イーキン・チェン エディソン・チャン アンソニー・ウォン ジョシー・ホー チャップマン・トゥ ジャッキー・チェン

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戀之風景(2003/香港・日本合作)

 フルーツ・チャン監督の“返還三部作”のひとつ『リトル・チュン』がNHKが共同制作した港日合作と知ったとき、ワタシはちょっと驚き、「やるじゃんNHK!」と喜んだ。最近はTV局の映画制作が盛んだけど、民放局製作のほとんどは人気ドラマを映画化した安易な邦画作品ばかり。不況でお客を映画館に集めるにはそのほうが手っ取り早いのかもしれないけど、なんかそれも淋しい。だけどNHKは国営(?)の強みなのか、ハイビジョンなどの最先端設備をフルに生かしたり、ロバート・レッドフォード率いるサンダンス・インスティテュートと提携したりして、海外(特にアジア)の才能ある映画監督をサポートしていろんな作品を作っている。今年は初めてアフガニスタンと共同制作した『アフガン零年:OSAMA』がゴールデングローブの外国語映画賞を獲ってNHKさん大喜びだろうけど(^_^;)、昨年のベネチア映画祭に出品されたというこの『戀之風景』もすごいよ。香港じゃ珍しい若手女性映画監督(ヴェテランならアン・ホイ姐、メイベル・チャン姐、女優でもあるシルヴィア・チャン姐などいるけど。笑)キャロル・ライが、今香港で一番映画に出まくっているようなイーキンを迎えて撮った、香港でも珍しい文芸作品なのだから。
 合作だからというわけじゃないけど、スタッフもすごいぞ。プロデューサーに《藍宇》のスタンリー・クァン、撮影(兼プロデュース)はヴェテランのアーサー・ウォン、メインキャラクターヴィジュアルデザイン(これは単なる美術や衣裳とは違うらしい)はご存知ウィリアム・チャン。彼は《藍宇》にも参加してたのでスタンリーさんの口利きかな?そして音楽は、富田靖子主演の日港合作『南京の基督』にリー・チーガイ監督の邦画『不夜城』のほか、アーロン・クオックの《公元2000》や、『花様年華』のメインテーマ「夢二のテーマ」などで、香港映画に縁が深い日本の音楽家梅林茂氏。

 画家の恋人サム(イーキン)を亡くした香港女性マン(カリーナ)。サムが残した風景画を携えて彼の故郷・青島に渡る。サムが描いた思い出の場所を探すマンは、絵本作家志望の郵便配達人シャオリエ(リュウ・イエ)と出会う。恋人の日記を書き写し、幼い頃の彼の思い出をたどるマンの行動が、シャオリエにはいまいち理解できなかったが、彼女のことを助けてあげるうちに彼はマンに引かれていく。そしてマン自身も、サムへの想いが遠くなるのを恐れつつも、シャオリエに引かれていくことを自覚するのであった…。

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「死んだ恋人が忘れられずに、彼/彼女の思い出の街へ行く」とか「異郷で新たな恋を知り、人生に前向きになる」という展開は珍しいものではない。前者ならあの『星月童話』、後者なら名作『誰かがあなたを愛してる』や最近では『最後の恋、初めての恋』もそのパターンに近い。ラブストーリーは結末がどうなるか予想しやすい分、どこで泣かせるかがポイントになる。この映画では、サムとシャオリエに共通する才能-「絵」がポイントになる。サムの思い出の場所と、シャオリエがマンへの思いを託した絵に通じる「恋の風景」を見つけたら、心の中ではもちろん、ラストシーンにもじわっとこみ上げるものがあるような気がする。もちろん、泣けなくても全然オッケイだけど(おいおい)、シャオリエの絵として登場する台湾の絵本作家ジミーのイラストはシンプルでいて強烈な印象を残す。アニメとして動くのはこれが初めてなのかな?…よくわからないが。
 あまりにもオーソドックス(てゆーかベタ?)すぎる恋物語なので、香港映画にしては物足りないかなぁ…と思うところもあるけど、文芸作品だし、どことなくヨーロッパ的な冬の青島の光景や、マンの揺れる心情を表現するかのように不安定で哀愁漂うメロディを奏でる梅林氏のスコアで、その物足りなさをカバーしようかな。
 …ところで青島って私は行ったことがなくてあまりイメージがわかないんだけど、思ったよりヨーロピアンな建物が多いのはビール産業が盛んなドイツに倣っているから?ってわけじゃないか。青島といえば青島ビールしか思い浮かばない。すみません酒好きで(笑)。

 香港映画なのでタイトルロールの先頭はイーキンになっているけど、実際はカリーナが主人公。コメディとかアクションなど主流的香港映画の役者という印象が強いイーキンに、あえて「王子様」的役割を振るとは、キャロルさんも相当ロマンティックな人ですな(笑)。「不治の病にかかっている割には健康そうでガタイよすぎ~」というツッコミはなしにしてちょーだい。王子様だからいーんです!(いや、私もうっかりそう突っ込みそうに…大笑)カリーナちゃんは『カルマ』に続きまたしてもあまり笑わない役。まー、ギャハギャハ笑うタイプには見えないんだけどね。この作品の演技で香港電影金像奨主演女優賞候補。リュウ・イエ君はこれが初香港映画か?(…ところで《藍宇》って中国映画?それとも中国・香港合作?)中国人役なので全編中国語を喋る。代表作『山の郵便配達』に続いて「また郵便配達人かよキミぃ」というツッコミはさておき、『郵便配達』や『小さな中国のお針子』にて、リュウ・イエ君は控えめなヤツという印象を持ったワタシだったが、この作品では揺れる女心がイマイチよくわからないフツーの青年だったように思う。フツーの現代青年の役もできるのね、と思った次第(『郵便配達』での彼はフツーの現代青年じゃないというのか、といわれると困るが)
…しかし、青島にはこんなカッコいい郵便配達人がいるのか実際(笑)。

英題:floating landscape
監督:キャロル・ライ 製作:スタンリー・クァン ヴィジュアルデザイン:ウィリアム・チャン 音楽:梅林 茂 劇中イラスト:ジミー(幾米)
出演:カリーナ・ラム リュウ・イエ イーキン・チェン

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