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フルタイム・キラー(2001/香港)

 香港は多国籍都市である。中国人だけでなく、西洋人、東洋人、世界中のすべての人種が住んでいる。
この街で「プロ」で生きるということは、何か一つにおいて「プロ」であることを極められれば、後はどーでもいいらしい。『フルタイム・キラー』を観てそんなことを考えた(大笑)。

“O(オー)”こと小野(反町)。狙った獲物は必ず仕留め、任務のためなら知人にも銃を向ける、プロの殺し屋(フルタイムキラー)。…欠点は日本語しか喋れないこと(それもモゴモゴ喋るし)。
彼に対抗するのは新進気鋭の殺し屋トク(アンディ)。映画オタクで二胡を奏で、にやけた笑顔でキザにきめるフルタイムキラー。…弱点は、ある“発作”持ちであること。

 冒頭、マレーシアで任務をこなすO。すごい日本語を話す友人タケノに対してすごい中国語で返す。Oはこの時以外、全編をすべてモゴモゴ喋りの日本語で通す。いきなり話がずれるが、世界最強のプロの殺し屋、ゴルゴ13こと通称デューク東郷は名前こそ日系だが実は国籍不明らしい。そんな彼はマンガの中でこそ日本語で通すがきっと何ヶ国語もこなすに違いない。対して0は日本語しか喋れないからすぐ日本人だとわかる。それってアジアで殺し屋稼業するには不利じゃないか、小野さん?あと、冒頭こそビジネスマンを気取ってダークスーツを着ているが、それ以外はちょんまげ+タンクトップ&シャツのチンピラスタイルのファッション。なんかプロの殺し屋というよりプロの古惑仔?って感じじゃないか、小野さん(爆)?
 彼と対立するトク。暑苦しいタイでもアジアのどこでもいつもレザーの上下でキメキメ。『ハートブルー』に『エル・マリアッチ』、『レオン』などが好きらしい。広東語のほか、英語と日本語が話せ、日本人向けのビデオショップで働く小野のハウスキーパーで台湾人のチン(ケリー・リン)には最初日本語で話しかける。彼の日本語力はヤクザに「やだー」といった東京の中国人探偵のリン(トニー@東京攻略)や、自分のバンドメンバーに必ず「スケベェさん」をつけて紹介する香港人歌手(レスリー@来日コンサート)、そして日本に渡った米国軍人あるぐれん(トムクル@最後の侍)よりはまだましかもしれないが、それでもまだまだ~の域である。芸能界デビュー前に日本に短期留学していたニコの日本語力の方が上くらいか?
 そんな「プロの殺し屋」二人と関係を持つ台湾人女性チン。…んでチンよ、キミはいったいどっちが好きなんだ?
彼女を演じるケリー・リンは『超速伝説ミッドナイトチェイサー』でイーキンと車内で濃厚なラブシーンを演じてたのが印象的だったんだけど、今回もアンディとラブシーンあり。…しかし、そのエッチシーンにて「アンディ、そんなに激しいのになんでブラを外さないんだ?」と思ったのと同時に、ケリー嬢よ、いくら清純派風ファッションだからといえ、白にワイヤーなしのフルカップブラはダサいんじゃないか、なんでもっとかわいいブラ用意できなかったの?と変なところにツッコミ入れたアタクシ。…この観点って変?もっとも、その後にアンディが起こす“発作”シーンにびっくりしたもんだけど。

 しかしアンディ、最近彼の定番といえる鼻血出したり血やゲロ吐いたりする演技がなく、『無間道』の演技で「今まで“哀愁の鼻血野郎”とか“出血多量男”とか呼んでばかりでごめんねー、アタシは君を見直したわー」と思っていた矢先のアレは…。確かに反町に同じことがやらせられないとはいえ、酷いっす。…もっともこの映画、『無間道』の1年前の作品だからね。(アンディの血吐き演技は苦手。金像奨で最優秀主演男優賞をゲットした『暗戦・デッドエンド』の演技は確かによかったけど、血吐きシーンだけはどうしても許せなかったんだもの)
 反町選手については、先に書いたことの繰り返しになるけど、広東語ができなくて日本語だけの台詞にしてもらったんなら、もっとちゃんと日本語喋れよ!といいたい。あと、やっぱりこの俳優も某○月の女優さんと同じく、テレビフレームと同じ演技をする人なんだなぁ、と感じた次第。もっと精進せーよ。パパになるんでしょ?(久々の暴言失礼)

 監督は、香港映画の安心株・トゥさん&ワイさんコンビ。評判のいい“やりび”こと『ザ・ミッション(原題・鎗火)』や《PTU》は未見だけど、先にも挙げたアンディ主演の『暗戦』はカッコよかったし、ラブコメの『Needing you』も楽しかった。はたして今回はどう演出してくれるのかしら?とちょっと期待したけど、…なんか冴えてなかったなぁ。どーしたの?って言いたかった。O・トク・チンの3つの視点を交差させながら話を進めていく前半もまとまりがないと思ったけど、後半はいきなり彼らを追う香港国際警察のリー刑事(サイモン)の視点のみに収束されちゃって、ますます破綻してしまったんじゃないか?トクを雇ったものの、土壇場で彼を裏切る男を演じたトゥ&ワイ作品常連の林雪さんも、もーちょっと出番が欲しかった。

 なんか今回はかなりキツイことばかり書いてきたけど、1か所だけほめたい場面があったので最後にそこに触れようかな。クライマックス直前、トクとOがチンを挟んで西貢の料理店で“直接対決”する場面。最終決戦に臨む連中が「最後の晩餐」をとるこの場面の演出は映画の中で一番よかったと思う。…ただ、最終決戦のシーンで流れる音楽は、どこかで聴いたような見たような感が拭えなくていただけなかったけどね。

原題:全職殺手
監督:ジョニー・トゥ&ワイ・カーファイ
出演:アンディ・ラウ 反町隆史 ケリー・リン サイモン・ヤム ラム・シュー

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コメント

はじめまして。いつも楽しく、興味深く拝見させていただいてます。私は華仔(アンディ)迷なのですけど・・
>ケリー嬢よ、白にワイヤーなしのフルカップブラはダサいんじゃないか、なんでもっとかわいいブラ用意できなかったの?と変なところにツッコミ入れたアタクシ。…この観点って変?

その観点全然変じゃありません。私は「賭侠1999」で全く同じ感想を持ちました。ご覧になってないでしょうが、このフルタイム・キラーと全く同じ様な変なラブシーンです。機会がありましたら是非どうぞご覧下さい。大体において彼のラブシーンは子供っぽくてつまりませんが・・本人曰く「激しすぎるのは、ファンを失望させるから・・云々」。私は声を大にして言いたい「たわけー者!!」と。

>金像奨で最優秀主演男優賞をゲットした『暗戦・デッドエンド』の演技は確かによかったけど、血吐きシーンだけはどうしても許せなかったんだもの)・・・とか、ちょいくどい華仔の演技・・・当たってるな~~ホント同感です。

こんな事言ってますが、華仔大好きなんです。ホントに。

投稿: はた | 2004.12.13 13:32

はたさん、はじめまして。コメントありがとうございます。華仔迷なのですね。華仔に関してはどーしてもツッコミしか書けない(除く『無間道』)私をどうか許してくださいm(_ _)m。これでも彼を認めているのに…。

>大体において彼のラブシーンは子供っぽくてつまりませんが・・本人曰く「激しすぎるのは、ファンを失望させるから・・云々」。私は声を大にして言いたい「たわけー者!!」と。

やはりファンの方もそう思うのですか…。いや、やっぱり自分の好きな明星の場合、ラブシーンは見たくないと感じる方は案外多いんじゃないかとも思ったのですが。
人気はもちろん、実力もついてきたと思うからこそ、渾身のラブシーン演技も見てみたいですね。

投稿: もとはし | 2004.12.13 20:42

こんな私に2つともレスをいただくなんて、考えてもいませんでした。なんか嬉しいです。年末は台湾旅行だそうで、私もここ4年、香港、台湾、北京、香港と中華圏にハマッテますが来年はいずこへ。旅行記楽しみにしておりますので、是非upして下さい。楽しいご旅行であることをお祈りしてます。お気をつけて。

投稿: はた | 2004.12.13 23:43

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