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《花好月圓》(2004/香港)

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 台湾の歌手兼俳優、リッチー・レンの写真を、電影迷に見せてもそうでない人に見せても同じ反応が返ってくる。
 「あ、岸谷五朗だ」
 うん、それを決して否定はしないよ。アタシも似てると思うから。もっとも、今朝ドラに出ている岸谷五朗本人は、まるで作家の高橋源一郎みたいなんだけど(笑)。リッチーは決していい男ではないけど、演技を見たり歌を聴いているとなんだか和んでしまう。“中華の癒し系男優”とか呼んでみたりして。ミシェル姐との《飛鷹》が見られなかったのは残念だったけど、代わりにこの《花好月圓》を観た。最近《行運超人》や《地下鉄》など、映画出演も増えているチカちゃんことミリアム・ヨンとコンビを組んだ賀歳片だ。

 古代中国。男子ばかり続いたので女の子の誕生を願った皇帝夫婦の間に待望の女児が誕生。とてもかわいく産まれた姫は…めっちゃくさかった!太医(ケニー・ビー)はSARSこと新型臭炎(これは意訳)と診断、姫は宮廷から隔離され、マスクをつけた侍女に育てられた。やがて美しく成長した姫(ミリアム)に縁談が持ち上がるが、やはりその体臭が敬遠される。ついに皇帝は姫の体臭を消す方法を国中から募る。その中に、花の香りで人々を癒す芳香治療師(つまりアロマセラピスト)の夢渓(リッチー)がいた。ライバルは宮廷所属治療所の若き医師。最終選考にこの二人が残り、3ヵ月で姫の体臭を消す方法を完成させなければならないことに。学はないけどなんとか自分の能力を上に認めさせたい夢渓は、街でアロマセラピーの被験者になる人間を探す。そこで出会ったのは生臭ーい魚を扱う魚屋三人組(ラム・シュー、エリック・コット他)と、彼らの妹分で、ものすごい臭いの持ち主の含香(ミリアム)だった。彼らの協力のもと、ハーブバスやハーブ石鹸で臭いをなくす実験を重ねる夢渓だが、若医師とグルになった太医が彼らをことごとく妨害する。そんな中、夢渓と含香は引かれあっていく。はたして、姫の悩みは元から断てるのか?二人の恋の行方は?そして、妙に姫に瓜二つな含香の秘密とは…?

 この作品の監督は、香港では劇場内に花の香りを漂わせて話題を呼んだ映画『ラベンダー』のイップ・カムハン。3年ぶりの新作も花と香りがテーマのラブストーリーになったけど、その花の香りを消し去ってしまうほど臭いお姫さまがヒロインとはどーゆーことだ。『ラストサムライ』でヒロイン小雪がトムクルの世話をしているときに兄の渡辺謙さんに「あの者の臭い、なんとかなりませんか?臭くて臭くて…」とこぼすシーンがあるほど、西洋人は我々と比べると体臭が強い。ワタシたちは体臭が薄いからオーデコロンや香水は必要ないと思うのだけど、日本人は自分の臭いに敏感である。体臭を気にするのは湿気の中で生きる日本人だけだと思っていたんだけど、もっと湿気がきつい香港人も同じ?…それにしても、前作と違って劇場に臭いこそ漂わなかったものの(臭わなくていいって!)、こーゆーものをネタにしちゃうのは、日本じゃまずできないだろうし、案外香港でも子供が臭いでいじめられたりすることあるんじゃないか?日本人の感覚だと不謹慎だなぁって思っちゃうんだけど、その辺は香港人と何かのズレがあるからかな。これ、日本劇場公開は絶対ありえないだろうな。
 とんでもないヒロインを可憐に演じていたミリアム・ヨン、中国名は楊千[女華](ヨン・チンワー)。中国名そのまま「チンワー」と呼んでもいいんだけど、漢字からあえて「チカちゃん」と呼んでます、もとはし。おそらくトニー・レオンと共演した《地下鉄》の日本公開が決まれば正式に紹介されると思うけど、ここ数年の香港芸能界でそれなりの位置を確立しつつある歌手という説明が妥当かな。イメージとしてはサミー・チェンの気の強さを抜いてちょっとホッコリした感じ、かな。98年にイーキンが主演したミュージカル《仲夏夜狂想曲》(これでよかったっけ?)にジジ・リョンに続く第2のヒロイン役で出演したので注目されたのかな。(手元にこのときにジュリエットのような衣裳をまとったチカちゃんの写真があった。アップしませんが)汚れた服を着ても素直でお転婆な含香はなかなかかわいかった。それにしても『少林サッカー』でのヴィッキーの扱われ方に度肝を抜かれたワタシとしては、ついつい比べてしまって役柄的にもーちょっと汚してもいいんじゃないかなー…なんてつい思ってしまう(いや、決して意地悪で言ってるんじゃないのよー)。
 リッチーは前述した“癒し系”だからというわけじゃないけど、人々を香りで癒すアロマセラピスト。結構ハマッてた。古代中国にアロマセラピーはないんじゃ?というツッコミは無粋よ(笑)。もちろん劇中ではチカちゃんとともに歌います。やっぱ歌もいいねぇ。林雪(ラム・シュー)&エリックのコンビは初見だけどやっぱおもろいねぇ。その他、スペシャルゲストにケニー・ビー。なんと悪役です。そして水泳代表からタレントに転身した“水泳王子方力申”ことアレックス・フォンは決して方中信ではないのでご注意を。で、彼、何の役だったっけ?医師だっけかな?HPにもなかったんで…(笑)。

英題:Elixir of love
監督:イップ・カムハン
出演:リッチー・レン ミリアム・ヨン ケニー・ビー ラム・シュー エリック・コット  アレックス・フォン(方力申) 

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