『王菲 89>97'32精選』王菲

 普段は放っておくとジェイや南拳や宏ばっかり聴いているワタシなのだが、このところ自分の手元にある香港ポップス(それも広東語曲)ばっかり聴いている。
 春に香港で買ったレスリーのベスト盤(感想はそのうち)はもちろん、以前書いたサンディの『Sandy'94』やら林海峰の『ハードビート』やらイーソンやらあれこれ聴きまくっている。ほとんどが10年以上前のものだってのはもうしょうがない。そのころがワタシの香港ポップス黄金期なんだから!

 さて、そんな“黄金期”の中でも、特に聴きまくっているのが、フェイの表題ベスト盤。

 これは思い起こせば12年前(!)、初めて香港へ行った時に買ったもの。
上のあーまぁーぞぉーんリンクでもわかるように、買った後にすぐ日本盤出ちゃったんだけどね(苦笑)。一目でわかるフェイの顔を大胆にあしらったデザインは、当然Shya-la-laのもの。

 中華圏での彼女のブレイクのきっかけとなった『傷つきやすい女(容易受傷的女人)』や、日本で一番知られている『夢中人』はもちろん鉄板な名曲なんだけど、改めて聴いてみると、この時代のフェイの曲には2つのラインがあることがわかる。一つは、王道すぎる中華歌謡路線。そしてもうひとつは、90年代の中華ポップスで最先端を行っていたであろう路線。先に挙げた曲では、前者の路線が『容易…』、そして後者が『夢中人』になるかな。

 最初の路線は、これはレスリーにもニコにもある路線だけど、一番端的にいえばアンディ先生の歌う王道バラードみたいな感じ、といえばわかりやすいか。もっとわかりやすくいえば、メロディラインが演歌っぽいというか。
 馳せんせーのでびう小説に、車の中で王菲の歌を聴いてやっぱり演歌っぽいかもと主人公が語る場面があったような気がするけど(この場面は映画にもあったよね)、実はそこに思いっきり同意してしまったことがあった。
 もちろん、彼らの歌声は好きなんだけど、実は彼らが歌うその演歌的メロディラインに、一時期ちょっと抵抗感を持ってしまったことがあったのだ。この頃はJ-POPも洋楽も一番聴きまくっていたころなんだけど、当時の自分としてはどうもそっちの方にひかれるものが大きかったのよね。だから、これを買ってもそのころはあまり聴かなかった。
だけど、今聴くと、やっぱりスッと入ってくるな。それは単に自分が歳をとったからだけだろうか。

 もうひとつの路線は、ワタシはもともと大好きだった。こっちは今聴くと、多少時代を感じるかもしれないけど、こういう路線の方がフェイの揺れるような歌声を生かしてくれているんじゃないかな。このCDでは、Disc1に入っている曲にその傾向があるような気がする。
 実はこの路線で最近妙にハマっているのが、『子供じゃないの(中国語題は後ほど)』。これ、まさに90年代ポップスっぽいアップテンポな曲なんだけど、ついつい個人的なツボに入ってしまった次第。なんかねー、20代前半の元気な女の子が街を走り抜けているイメージなんだよね、って意味不明な比喩をしてしまって失礼します。
 この曲にインスパイアされて、最近あることをやっているんだけど、それがなんだかというのはいずれ後ほど。

 北京語曲もいいけど、やっぱり広東語の方が香港だーって感じがする。って当たり前のこと書いちゃうんだけどね。そんなわけで、しばらくは香港ポップスを聴きまくる日々が続きそうだ。
 そういえばフェイ、春先に復活の報が聞かれたけど…、ま、そのへんはマイペースにやってもらえればいいよね。

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蜜瓜西米露(Ver.1.1)を作ってみた。

蜜瓜西米露(Ver.1.1)を作ってみた。
というわけで、西米露ふたたび。Ver.2.0というよりVer.1.1だね。

今回の改良点は、メロンをスプーンでくりぬき(でも球形にはできなかった)、しばらくバットに入れておき、ココナッツミルクを果汁と一緒に合わせたこと。牛乳を入れるなんて邪道をしなくても十分おいしかったよ。

 ココナツミルクはこれで全部使い切ったけど、まだタピオカもあるし、メロンも丸ごと1個あるのよね。次はどんな甜品を作ろうかな。

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蜜瓜西米露を作ってみた。

蜜瓜西米露を作ってみた。
久々に甜品を作ってみた。
許留山とは似ても似つかない出来であるが、Ver.1.0ということで(笑)。

 週末、熊本の友人から大きなグリーンメロンがふたつ送られてきた。
果物が大好きなので大喜びしたのだが、果たして熟れきる前に全て食べられるかどうか。ほぼ毎食のデザートと化してはいるが、そのままずっと食べ続けるのもなんだよな。そう思っていたところに、ココナッツミルク(賞味期限切れだけど)を見つけたので、そうだ、西米露を作るかーと思って、昨日タピオカを買ってきた。

 タピオカをゆでて戻して冷やし(1時間30分ほどかかった。しかしほっておくとすぐくっつくのね…)、ココナッツミルクをお湯で溶いて冷やし、メロンを適当に切って出来上がり。

 ココナッツミルクに甘味をつけてないので、味がない…。幸い、メロンの真ん中の甘味がおいしくなっていたので、それとしっかり混ぜたら、いい感じ。
タピオカはいつもゆで戻しに失敗してとんでもないことになるのだが、今回はまぁまぁうまくいった…と思うけど、なんかビミョー。
 ええ、これはやっぱりVer.1.0。タピオカもココナッツミルクもまだ残っているので、明日はもっと工夫しよう。

 あとで、『ミセス・デイジーの香港スイーツ』を見たら、ここで取り上げられた西米露では、ココナッツミルクを濾して、グラニュー糖とメロンアイスクリームと生クリームを混ぜたものを加えて甘みをつけていたのね。これは知らなかった…。
 明日はメロンを丸くくりぬいて、ちょっと甘みをつけた牛乳と合わせたVer.2.0に挑戦してみるかな。

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『ことりっぷ香港』やっとゲット~♪

 どーも、お久しぶりです。
 ネタがないというよりサボっていました。
 《類型論》の閲読も進んでいるけど、どーも抄訳をサボり気味だし、別のことに気を取られていて、とにかくサボってました。気がつけば返還の日を過ぎてしまったもんな…。

 さて、本blogの右上に出しているTwitterでも何度かつぶやきましたが、やっと本日、『ことりっぷ海外版・香港』を入手。

 国内で気楽に旅する女子のために考案されたオサレなガイドブック「ことりっぷ」
種類も豊富で旅好きもとはしも重宝しております。そこが海外版を作ってくれるとなれば、自然と期待があがるもの。

 内容としては、「裏グルメ」「旅」2月号「FRaU」5月号÷3といった感じで、特に目新しいところはないかな?という気もしないでもないけど、リピーターでも案外使いやすいのではないかな?これに「香港街道地方指南」を組み合わせれば、かばんの中は相当軽くなると思われるし。
 この夏は、これを持って香港へ行く女子が多いとみたがどーだ?

 で、実はワタシもこりずに夏香港しようかと計画中。
 このところ4泊以上で行っているけど、今回は短くなるかな?
 ちょっとした野望があって(今はちょっと言えないけど)、香港下町からペニンシュラ&マンダリンオリエンタルまでアップ&ダウンしたいと思っているのだ。
 今のところどうなるかわからないけど、とりあえず行きたくてしょうがないのよ。

 やっぱり香港は、そう簡単に足抜けできないアルよ(^_^)。

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Hyvää syntymäpäivää,Tony!

 Toivomme tulevaisuudessa työtä.

 主要言語をやりつくしたので、今年は趣味でフィンランド語です。
 母音のウムラルト、文字化けしないで出るかなぁ…。
 今日はトニーの誕生日。47歳か!ああ、ついにレスリーを超えちゃうのね。
 天命を知る年齢まで、あともう少しだねぇ…。*タメイキ*
 うーむ、お互い歳をとるわけだね。

 年貢を納めて早1年、この頃は太太(こらこら)の妊娠活動?が時折ゴシップを賑わせているけど、子供ができても変わらないでいてほしいと思ふよ。ま、そんなことこっちが心配することじゃないか。
  1年の長きにわたる狂乱(?)の赤壁キャンペーンも終わり、今年後半はいよいよ《一代宗師》の撮影に入れるか?ま、今後も変わらず見守っていきますよー。

Tony200090627022_2

 季節感を無視した写真にて失礼。
 日本でも《東邪西毒:終極版》をやってほしいんだけど、今の日本の映画公開状況(あえてここでは言うまい)を考えると、やっぱり難しいかなぁ…。

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張芸謀×コーエン兄弟…かぁ。

 日本のみならず、中華芸能にも多大な影響を与えているはずの、米高積遜先生を悼みつつ、今日も小ネタ。

張芸謀さんの新作が、初のサスペンスという《三槍拍案驚奇》だというのは、あちこちの中華芸能系blogやニュースで知ってはいたのだが、それがまさかこーゆーネタだったと知ったのは、今日のeiga.comのニュースでだった。

チャン・イーモウ監督が、コーエン兄弟「ブラッド・シンプル」をリメイク

 ワタシもフツーの映画好きなので、コーエン兄弟は結構好き。お気に入りは『ファーゴ』や『オー・ブラザー!』の、ちょっとメジャー系。
 コーエン兄弟もオスカーのみならず、カンヌやヴェネチアの常連だけど、まさかイーモウがコーエン兄弟作品をリメイクするとは思わなんだよ。実は『ブラッド・シンプル』はまだ観ていないんだが、どーゆーふーに料理するんだか楽しみではある。
 しかし、香港でロケしてるってのに、なんでキャストは大陸俳優中心なんだらう…。ま、イーモウだから必然的にそうなるのだろうが。

 日本でももうすぐ公開される『コネクテッド』もそうだけど、最近は米国電影の中華圏リメイクが流行っているのだろうか?まぁ、両作品とも、fxxxingな某ディパ(苦笑)よりは、好みのリメイクになってくれるはず、だと思いたい。

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韋家輝さんインタビュー、日本語で読めるのは嬉しいが…。

 あまり更新がないのも何なので、拾ってきた記事をリンク。

 NYAFFに出品されている、トーさんの相方、ワイさんのインタビューがシネマトゥデイにあった。でも、見出しはこんなんだった…。

金城武も反町隆史も素晴らしい役者!それぞれの出演作の監督ワイ・カーファイが語る - シネマトゥデイ.

 金城くんはもともと中華電影で活躍しているから日本人俳優って印象はないんだけど、その後の人については…。
 映画専門サイトのインタビュー記事でも、香港電影迷もちゃんと読んでいるんだから、そのへんで引き付ける見出しにしてほしかったな。
 それとも、記者さんが香港映画に詳しくないと、こうなっちゃうのかな。

 映画専門サイトでも、もうちょっと濃い記事が読みたいと思う、今日この頃であった。と、暴言にならないうちに終わる。

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三國之見龍卸甲(2008/香港・中国・韓国)

 たとえ赤壁二部作が“オリジナルと違う”と批判されても、いわゆる三国志と呼ばれるものにはさまざまなバリエーションがあるのだから、そこでブーブー言ってはいけないということは、以前から書いてきた。中華圏にも正史のほか、演義も平話もあるわけだし、日本だってゲームの三国無双があるし、パロディものだっていろいろあるじゃないか。だから、いろんなタイプの三国志があっていいし、赤壁だってひとつのバリエーションと認めたい。
 だから、アンディが趙雲を演じるこの『三国志』だって、バリエーションの一つと言いたいけど…。ああ、マジメな三国志マニアにはこりゃキッツイかもしれんなぁ…。

 あらすじはパス。とりあえず、赤壁で胡軍が印象的に演じた“単騎千里行”の場面はあるとはいえ、…そこでなんで二人とも殺しちゃうのよ、劉備(岳華)の奥さん!と最大のネタばれツッコミをさせていただく。いくらオリジナルストーリーだからと言っても、そりゃねーよダニエル・リー!ああ、だからやっぱりアタシは苦手なんだな、ダニエル・リー作品が。『星月』しかり、『スター・ランナー』しかり(『ドラゴン・スクワッド』は未見)。

 そんな文句はとりあえずおいといて、これは久々に、頭の先からつま先まで、見事なまでにThe☆アンディ先生映画だった。以前も書いた“チンピラ・ロン毛・流血”の三大条件のうち、チンピラ以外の条件は満たしている。最初の登場シーンでは髪をラフにまとめていたし、五虎将軍となってからは髪を後ろで三つ編みにしている。後ろだけなら今やってる某大河ドラマの某石田ミツナリかよ?と思わずつっこみたくなった(もちろんアンディの方が先だが)。恋人は出てくるけど(女優さんの名前失念)、死ぬ前にフェイドアウトしちゃうしなぁ。それがいいのか悪いのか、というのは、あえて言うまい。

 出番がちょっとだけでホントに惜しかったけど、ティ・ロン兄さんの関羽はカッコよかったねぇ。前半で趙雲と戦うくだりも、おお、さすが往年のアクションスター!と思わずグッときてしまったし。ただ、せっかくの美髯公なのだから、もーちょっと御髯のボリュームがあってもよかったのに。
 アクションといえば、趙雲の部下・鄧芝を演じたオンくん(アンディ・オン)もよかった。体にボリュームがあっても、身軽でどんどん動く!みんなあの帽子型兜(これ、なんとかしてほしかった…)をかぶっているのに、一人ドレッドヘアに唐草模様の上着を着て、どことなく個性を打ち出しているのもいい。彼に限らず、衣装のデザインはえらい個性的で、あれはあれで見ていて楽しかったかな。
 ヴァネスが演じた関興(関羽の息子)…。出番はあれでいいのか?

  そして、オリジナルキャラクターの二人、サモハン演じる羅平安とマギーQ演じる曹操の孫娘にして魏の都督曹嬰…。うーむ、はたしてあれは必要だったかどうか。物語の語り手でもある平安は、あれはあれで必要な存在だったけど、二人の関係をもう少し深く描いてくれてもよかったような気がした。描き方次第でいいキャラクターになったと思うんだけどなぁ。
 で、曹嬰は…。華に、華になってない~(泣)。祖父譲りの狡猾さとか、非情な感じはあったと思うけど、やっぱりそこに華があった方が断然いいに決まっている。顔色も悪そうだし、てゆーか悪いし。
 あ、一緒に観たひろみさん曰く、戦の場面の彼女はまるで某大河ドラマで某上杉ケンシンを演じていた某ガ○トのように見えたとのこと。ワタシも一票。

 うう、投げやりな感想になってしまった。スマンです。
 実は途中で集中力が切れたんです。なんでこれで集中力切れるかなー。
 近いうちにVCDでもう一度見直そうかしら。それとも『ウォーロード』を先に観て演技派アンディを堪能してこっちに戻った方がいいのか。

英題&邦題:Three Kingdoms Resurrection of the Dragon/三国志
監督:ダニエル・リー 製作:チョン・テウォン&スザンナ・ツァン 出演&アクション監督:サモ・ハン・キンポー 撮影:チャン・トンリョン 音楽:ヘンリー・ライ
出演:アンディ・ラウ マギーQ ヴァネス・ウー アンディ・オン プー・ツンシン ティ・ロン ユエ・ワー ユー・ロングアン ダミアン・ラウ

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《香港電影類型論》覚え書き:羅[上/下]「香港類型電影之武侠篇」(その2)

 《火焼紅蓮寺》的功與罪(《火焼紅蓮寺》の功罪)

 政治が比較的安定している時代の社会では、伝奇カンフー映画はもちろん、三級のポルノやバイオレンス映画も人気になるが、たとえ盛んに作られて人気を呼んだとしても、多くの古い考えを持った人々に非難されて、検閲で修正されることになるが、そういうことは珍しくない。

 しかし、政治的に不安定で、動乱期にある社会では、このような「邪道」ともいえる映画たちは、必ず統治者によって激しく批判され、公衆に向かって晒し首にされるように犠牲となった。また、往々に社会の道理として、このような作品は人を邪淫や不正に導くとして恐れられたため、それらが反権力に目を向けると考えた権力者は流行文化を叩いたのである。

 30年代、ヒトラーの専制政治が行われたドイツでは、リアリズムで描かれたサスペンスやフィルムノワールが上映禁止となり、多くの製作者がアメリカへ亡命せざるを得なかった。20年代末に作られた張石川監督の《火焼紅蓮寺》(1928年)は、当時の中国で大ヒットを飛ばした作品である。これが伝奇カンフー映画のはしりであり、上海の多くの映画会社はそれに乗じた「火焼片」を競作した。当時は小学生にまで人気を呼び、彼らはこの映画を観るために家出をして帰ってこなかったというニュースまであったくらいだ。その内容もエログロや博打等を盛り込んでいたため、市民を堕落させるという否定的意見もあり、一方映画はフィクションだからという意見もありと賛否両論を呼んでいた。
 しかし、満州事変後、日本軍が東北を占領し、革命に失敗した共産党が地下活動を始めたことがきっかけで、時の政府はこれら動乱に乗じて、《火焼紅蓮寺》のような伝奇カンフー映画は社会に対して悪影響を及ぼすと非難した。そして民国21年(1932年)、国民を悪影響から守るという名目で、映画の上映を禁止し、フィルムも没収して焼却しまった。こうして、「伝奇映画」は民国33年(1934年)以降は作られなくなってしまった。

 《火焼紅蓮寺》はこのような経緯で糾弾され、悪名を残した映画とされているが、客観的に作品そのものを見てみると、この映画は映画製作において大きな成功を収めている重要な作品でもある。まず、この映画が大々的にヒットしたことで、映画市場が盛り上がり、ひいては中国映画が東南アジア諸国へ販売ルートを開拓するきっかけとなった。次に、各映画会社がこぞって《紅蓮寺》の続編やシリーズを作ったことで、壁を走ったり空を飛ぶような映像を見せるためのワイヤーアクションやアニメーションのようなアクションや特撮技術が生み出され、これらの技術は30年代末までに大きく発展した。また、この映画では彩色を施して鮮明にすることも試みられた。このように、すでに30年代には大胆な映像が作られて新たな創造が見られたのだ。

 国情が不安定化すると、為政者は人民の思想を統治するために、「清潔さ」をもって思想を正しいものへと整理しようとする。その状況下、異端な作品にはその政権が本当は腐敗していて無能であることが反映されるので、それを取り締まって排除するだけでは、何も解決しないのである。

 あまりにも多くの誤解をうけているのが惜しいのだが、この新しい試みに満ちた異端の作品には、庶民の生命力が湧き出ていて、その流れをよくし、経済と民衆に大きな助けをもたらしている。これらの「火焼片」で使用された特撮技術がもし禁止されなければ、中国映画のアクションシーンが今よりももっと優れたものになっていたかもしれなかったのである。その技術が遺憾なく発揮されるのは、60~70年代以降の香港カンフーアクション映画の登場まで待たねばならなかったのだ。

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 またまた超抄訳で失礼します。
 これは、中国語映画初期に作られた、いうなれば武侠映画史で重要な位置を占める映画《火焼紅蓮寺》がなぜ人気を集め、そして批判されたのかということについて書かれた文章。

 政府お墨付きの名作よりも、とあるジャンルに限定されながらもそれを飛び越える類の映画には、その後の映画製作の方向を位置付けるものが生まれるが、その過激さから糾弾されやすいリスクがある、ということか。これはポルノ映画が多くの個性派監督を生み出し、ホラーが国内ばかりでなくハリウッドでも受けた日本映画界に通じるところがあるのかもしれない。アジア以外で言えば、B級作品を偏愛するクエタラや、オーストラリアでお下劣スプラッタを作りまくってたらいつの間にか『指輪物語』3部作でビッグになっていたPJなんかも当てはまるかな。それを考えれば、今大ヒット中の日本メジャー系TV局映画が揃いも揃ってつまらないのは、ほとんどの監督がTVやCMのディレクター上がりで、誰にでも親しみやすい無害な映像ばっかり作ってきたから…とか書いたら毒吐き過ぎか。

 ちょっと抄訳がうまくいかなかったが(後で聞こう)、ワタシの先生は5番目のパラグラフに大きく共感していた。《火焼寺》をバッシングした時の政権は国民党政権だったけど、こういうことは共産党政権でもあったことだから、と言っていたのだ。それはよくわかるな。そして、日本だって同じことじゃないって思うところはあるもんな。いずれにしろ、映画は異端な方が面白いものが多いってことか。と、この場はコレで締めたいと思う。もしかしたら別項でまた書くかもしれないけどね。

 次回は、次回は、93年に香港で起こった古装片ブームにつながる伝奇カンフー映画の流れを辿る、「略談神怪武侠粤語片 並評介《如来神拳》《聖火雄風》」。結構長い文章だけど、うまく抄訳できるかどうか…。

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『香港 アジアのネットワーク都市』浜下武志

 2年前にハマった某経済ドラマ(なにも名前を隠さなくてもさぁ。まーここでも書いているけどね)が最近映画化され、早速観に行った(リンクは別blog)。
 その映画でネタにされていたのが中国政府系投資ファンド。中国語の授業でこの話をちょっとしたくて、えーと、投資ファンドって中国語でなんて言うんだっけ、「証券投資基金」ってそのままじゃん、なんてあたふたしながら電子辞書の中国語新語ビジネス辞典を見ていたんだが、…そーいえば自分、今年で中国語学習歴20年になるけど、何に一番苦しめられたかといえば経済やビジネスの中国語だったじゃないの、といまさらながら思い出した。はぁ、もう少しちゃんと力入れてやっておけば、今頃香港で働いていたかも、ってことを簡単に言っちゃーいけないよな。  

 そんなわけで、この本は10年以上前(しかも返還前!)に発行されたのに、なぜか読んでいなかったのは、はい、単に経済ものが苦手なだけです。でも今頃これを読もうとしたのは、まぁなんとなくです(苦笑)。

 …えーっとぉ、確か20年くらい前に中国史の授業で習ったようなことが書いてあったようなぁ。バカ丸出しな感想でホントにすんません。
 とすると、経済分野ではわりと一般的な事柄を中心にまとめているってことかな。東南アジアの華僑ネットワークから来た資金が香港を経由して華南の経済圏に送られているっていうのも、当時の(今もか?)経済事情では比較的よく知られていたことなんだろうけど、知らなかったのは当時の(今も)ワタシが不勉強だったからってことで。

 しかし、今の中華圏の経済状況を見ると、やっぱり上海の急成長が香港に影響を及ぼしているってことはないのかなぁ?もっとも、この本が出版された1年後(97年)にアジア経済不況が起こっているわけなんだが、当然、そんなことは予想できなかったんだよね。ここで書かれている香港経済の未来像と、今のそれはやっぱり違っちゃってるよなというのは、不勉強な人間でも何となく感じるところがあった次第。

 感想(というか覚え書きだな)を書くのが苦しくなったのでこのへんで。ああ、やっぱりワタシは、映画から経済を学んだ方がわかりやすいわ。
 なんとなくもう1回、『女人本色』が観たい気分になったが、これ以外で経済を扱った香港映画って…やっぱないか(苦笑)。

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