残酷ドラゴン 血斗竜門の宿(1967/台湾)

先月、岩手県北の二戸で行われたカシオベア星空映画祭という野外上映イベントにるろけんを観に行った。「なんどめだるろけん!」というツッコミは承知の助だが、監督の大友さんがトークをされるので、久々にるろけん話が聞けるのは嬉しいぞ♪ってなわけで行ったのである。
内容としては人気マンガの映画化の苦労などを中心に今まで聞いてきた話をまとめた感じになっていたけど、20年前の米国留学時にキン・フーから始まる香港のアクション映画に多く触れ、そこで谷垣健治さんを知ったというくだりにはやっぱりニヤニヤさせられたのでした。以前フィルメックスで『侠女』を観て、「この映画がるろけんにつながるのかあああああぁぁぁ!」と大興奮していたのだけど、「つながった!これでやっぱり裏付けされたわねー!」とまた一人で妙に盛り上がっていたのでした。すいません、ほんとに単純バカっすねオレ。

さて、今年の始めに侠女と共に東京で公開されたキン・フー監督作品がこの『残酷ドラゴン 血斗竜門の宿』2月の五月天ライヴの翌日、予定が変わり日中のスケジュールが空いたので、劇場で観ることができました。ああ、スクリーンで観られて本当によかった…。

↑は劇場でもらったオリジナルポスター版ポストカード。
そしてオリジナル予告はこちら(埋め込みサイズが大きいのでリンク)

 

 追われる者と追う者、あるいは目的は同じなれど様々な思惑を抱えた者共が一つの宿に集まり、一触即発の状態を保ちながら駆け引きをし、クライマックスに雪崩れ込む…これは後の『ドラゴン・イン(1992/すいませんいまだに未見です)』や『ドラゴンゲート(2012)』など後に徐克さんがリメイクした2作品ももちろん同じ。そしてドキドキハラハラしながらも、非常に燃えるシチュエーションだったりする。
 追われる将軍の遺児たち(徐楓さん)、追う側は太監・曹少欽(白鷹)の部下たち、守るのは将軍の元部下とその妹(薛漢&上官靈風)、風に吹かれてやってきたような義士・簫少鎡(石雋)。曹の部下が辺境の地の宿・龍門客棧を借りきり、そんな中に簫が飛び込み、場を引っ掻き回すくだりが楽しい。椅子など日常のものを使ったコミカルなアクションは成龍さん作品でよく見られるけど、すでに60年代にキン・フーさんが先駆けていたとは、と感心。上官靈風さんが演じる男装の剣士も中華電影ではお約束なので、彼女の存在もまた楽し。石雋さんは侠女でのややボンクラ入った知性派とは違う役どころで、もちろんアクションも見せてくれるんだけど、すっとぼけながら密偵たちを手玉に取るユーモアがあって軽快でよかった。
 宿の主人も簫たちと合流し、曹の部下の密偵たちを撃破。そしてついに曹が彼らに立ちふさがるのだけど、さすがラスボスの貫禄ありで、ものすごく強くて憎々しい。そこまでに至るテンポもよく、観ていてほんとうに楽しかった。京劇のメロディを織り込んだ音楽も、現代の作品では定番になっているけど、公開当時は結構珍しかったんじゃないかな。

 しかし、これのどこが残酷なんだ?日本公開は74年だったそうなので、もろに燃えよドラゴンのフォロワー的扱いを受けての邦題なのだろうけど、人はガンガン死んでいても、そんなに残酷じゃないじゃん…と思ってラストにたどり着いたら、うわーっ、それは残酷だー!たしかに誰が観ても残酷だー!と心のなかで叫んで大いに納得したのでした。
以上、ちゃんちゃん♪

なんかすんません、ふざけた感想で。でもものすごく面白かったんです。
『楽日』で苗天さんと石雋さんがしみじみと観ていたのが、この映画だったんだなあとジーンとしたのも確かだったし。

原題(&英題):龍門客棧(Dragon Inn/Dragon gate inn)
監督&脚本:キン・フー 撮影:ホア・ホイイン 武術指導&出演:ハン・インチェ
出演:シャンクァン・リンフォン シー・チュン バイ・イン ツァオ・ジエン シュエ・ハン ミャオ・ティエン シュー・フォン

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春光乍洩單身修学旅行完結編・香港編3

3月29日、香港滞在もあと1日半。
この日の早餐は、openriceで調べた叁去壹という點心粉麺飯のお店で、腸粉と焼賣をいただいた。前日の反省を生かし、二件だけにした。焼賣を饅頭系點心にしたら、確実にお腹が膨れそうではあるか。

早餐の後は、軽く西環を散歩。ここは崇真會救恩堂

前半は遠出メインだったので、今回は日中のうちに近場で回れるところは回ってしまうことにした。でも、あまり行かないところを先に行きたいと思い、まずは香港大学に行った。
実は初めてではなく、二度目の旅行の時に足を運んでいるはずなんだけど、当時は決して気軽に行けるところではなかった。でも大学までMRTも開通したので、行ってみた。

校舎が高台に沿って建てられているので、アップダウンはなかなか激しい。
ここは図書館横だが、アピール文を読むと大学の自治が何かよく分かる。このような自由が奪われないことを願うばかり。雰囲気のいい本館で暫し休憩。(参考として地図

ランラン・ショウ・タワー(!)の一角にあるビジターセンター。
ここでキャンパスグッズをいろいろ販売。

次は中環まで戻って、最近の香港ガイドでは必ず取り上げられる新スポット、PMQへ。

SOHOまで足を運ぶことはめったにないのだが、旧警察官舎のことはなんとなく憶えていた。
行った時間が早かったこともあり、まだ営業を開始していないお店も多かったが、香港アートの発信基地だけあって、古い建物内に点在するオブジェや雑貨屋台を見て回るのは楽しかった。
ここでは老舗の劉裕發茶荘が経営する工夫茶舎に寄り、Chocolate Rainコラボパッケージの普洱茶を購入。後はJBLのサウンドブースで無間道ごっこ(違)もしてきた。

あ、無間道といえば!と言うわけで、昼に深水埗へ移動。

午餐は劉森記麵家の蝦子撈麵。澳門でも名物として紹介されているけど、食べてこられなかったのでこちらでリベンジ。
その後は坤記に寄って、食べ歩き用に砵仔糕を購入。

日本はもちろん、台湾でも食べられないこのふるふるの感触が大好き。
写真には写ってないけど、黒糖味のも美味しかった。

雨がパラパラ降るのを気にしながらしばし散歩し、尖沙咀に戻って映画の座席を押さえ、美麗都大廈に移転したJenny Bakeryでお使いした。重慶大廈にあった頃はかなり長い行列ができていて、それに並ぶのが嫌で買わなくなったのだけど、人気が一段落したようなので割とすぐ買えた。お使いついでに職場土産にも買ったのでした。

映画は夜の回の席を取ったので、重い荷物を置きたくて一度帰ることにしたが、その前にここに寄らないと、とプロムナード改修&再開発により尖東に移転中の星光花園に足を運んだ。




天上天下麥兜(マクダル)独尊…なんちって



撮影中。李小龍像も梅姐像ももちろん一緒に引っ越し中。
ちなみにこの時期は梅姐の特集展示がされていました。

歩道の手形もこのように仮展示。改修後どのように変化するのか楽しみ。だけど、開設されて20年も立ってないのに、もう改修というのは…とちょっと疑問に思ったのも確か。そもそもプロムナード自体が老朽化していたというのもあるのかな。

ホテルに帰って荷物を降ろし、再び尖沙咀のthe oneへ。
観た映画はこれ!《救殭清道夫》こと『霊幻道士 こちらキョンシー退治局』。



これは後ほど感想を書きますね。楽しかった~。



映画が終わって外に出ると、ちょうどsymphony of lightsの時間。相変わらず人で一杯のチムだけど、久々に香港島ハーバーサイドのビルの光の点呼を楽しみ、いい春の夜風に吹かれてた。もちろん帰りはスターフェリーで。

香港最後の晩餐は、鏞記の燒鵝飯をテイクアウトし、コンビニでブルーガールビールと源記で燉蛋(たまごプリン)を買ってホテルでゆっくりいただいた。

3月30日、ついに最終日。香港らしい曇り空で、もちろん名残惜しさを感じてる。
帰りの飛行機は夕方発、チェックアウトは12時なので、最後の悪あがきとして朝の尖沙咀を散歩することに決定。荷造りは夜にしちゃったので、早餐を取ってそのまま渡ることにした。



この旅最後の早餐は、再び金沙冰室で通粉のセット。
朝飲むのはだいたいミルクティー。



4年前にはなかった観覧車を横に見ながらスターフェリーターミナルへ。

チムに着いて、まだショップ開店前だった1881ヘリテージ(ホテルは5月末で閉館…もったいないけど高級すぎたのかな)やペニンシュラなど、あまり遠くに行かない範囲でブラブラと歩く。なにせほとんどお店は開いてなかったからね。

暦の関係か、珍しく3月スタートじゃなかった香港国際電影節は、文化中心にポスターが展示され、プログラムは配布されていた。
今年の電影大使はご覧の通り古天楽。黒い…のは仕様ですから仕方がない(笑)。



香港エンターテインメントエキスポの巨大ポスターもあった。こちらの大使は黎明。

最終日にいわゆる香港らしいところを歩けて満足しちゃったので、11時前には西營盤に戻ってきた。でもホテルに戻る前にもう少し買い物がしたくなって、惠康に寄ってクノールの鶏粉、リプトンのインスタントミルクティーやお茶のディーバッグなどを買い出して、キャリーバッグの隙間に詰めた。準備もできたのでチェックアウトし、西營盤からMTRで中環に向かい、AELでインタウンチェックイン。お昼は今まで一度も行ったことがなかったあの添好運に並び、名物の叉焼包と桂花と枸杞のゼリーをテイクアウト。向かいの天仁茗茶で珍珠奶茶も買い、空港の隅っこ(パシフィックコーヒーの近くのイートインスペースで…といえばわかる方にはわかるよね)で食べた。これで結構満足。



それから出国し、おみやげを買いつつ搭乗を待ち、定時発のANAで復路は成田へ。運行にもトラブルなく定時に到着し、無事に帰国したのでした。

4年半ぶりの香港は、今まで行ったことのない場所やもう一度行きたかったところにも行け、短い期間でも思いっきり楽しんだけど、それでも行けなかった間に香港で起こったあれこれの事件を街のあちこちで十分感じさせてくれた。
澳門から香港に移動する日が例の行政長官選挙の日で、結果は言わずもがな。それから3か月の返還20年をはさみ、民主派への大陸の締め付けが厳しくなっているのは、報道でも追ってきた。初めて香港に行ってからちょうど20年にもなるので、この間の変化は旅行客であってもよくわかるし、特に大陸の現政権になってからの約束破りも厭わぬような処置の仕方は外国人であっても不安にさせられる。
この話題に関しては『十年』の感想と合わせたほうがいいので後で述べるけど、たとえ香港が中国の一都市になって、街の略称も「港」ではなくなぜか「香」と書かれるようになっても(この表現すんごくイラッとするんだけどなんで?「港」の略称って正式じゃないの?)、いい意味での猥雑さと、それが産み出すパワフルさは奪ってほしくない。普通話じゃなくて広東語を学んでまで香港に行くのは、そのパワフルさが大いに刺激になるからだ。
香港映画を愛し、そこから香港という街に魅了された身として、ここは単なる観光地ではなく、今では街そのものを愛おしく感じているし、インスピレーションをもらえる場所としても尊く思ってる。物価も高くなっているし、諸事情で以前ほどの頻度で行くことも難しくなっているけど、今度は来年の夏から再来年の春の間に行きたい。てか、『モンスター・ハント2』の上映に合わせて行きたいなあ。

そうそう、今回の旅行記は「修学旅行」とは銘打ってるけど、これで広東語も普通話も勉強やめるわけではないですよ―。今はどちらもお休みしているけど、仕事が楽になったらまた復帰します。
そんなわけで、かなり時間もかかりましたが、春の香港旅行記はこれにて締めます。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
次からは今年観てきた映画の感想を、思い出せるだけ書いていきますね。

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春光乍洩單身修学旅行3・香港編2

3月28日、香港3日目。
もともとあまり体調がよくないのに、1日1万5千歩以上歩いてしまっているのだが、疲れは確実に身体に出るので、左側の首筋から肩が痛い。それでも休んでいられない。
天気もよかったので、この日は大澳に行くことにした。
早餐はケネディタウンにある飲茶店、新興食家。朝3時から営業する地元の人気店だそうで、8時前に行ったらものすごい混雑。おじちゃんおばちゃんの間に入って普洱茶を頼み、自力で点心の籠を取りに行きましたよ。

注文したのは叉焼包に名物のカスタードまん、写真を撮り忘れたけど蝦餃。

写真を見てもわかるように、結構ブツも大きかったが、なんとか完食。しかし三件は量が多く、お腹パンパン。テイクアウトも可能だったので、カスタードまんと叉焼包は1つずつ持ち帰って遠足に持っていけばよかったかな。そんなわけで、午餐過ぎまで何も食べなかったのであった。とほほ。

行きはMTRで行き、帰りは少し歩いてトラムで。ちょっと歩くと海が見えるのがいいな。
ところでこの海、ヴィクトリア湾の一部だと思いこんでいたのだが、今街道地方指南見たら、ベルチャー湾という名前がついていたのであった(笑)。

一度ホテルに戻ってから、10時過ぎに出発。中環でランタオ島東側の梅窩までフェリーで行き、そこからバスでガタガタと30分くらい走って大澳に到着。以前行った時は9年前の夏で、雨に降られてゆっくりできる状態じゃなかったが、この日はピーカンで、日焼け確実な晴天であった。

まずは湾に長く張り出した海廊を歩き(この写真から左の陸地側は、塩田になっているらしい)、中心地に戻って半島沿いの石仔埗街を歩く。

港町だからか、にゃんこが多い。でもカメラを向けたら、プイッとそっぽ向かれた(^_^;)

石仔埗街の一番端っこの山の上には、大澳文物酒店がある。かつての警察署の官舎をリノベして開業した、香港唯一のユネスコ認定ホテルだとか。部屋までは見られなかったけど、コロニアル様式の建築とガラス張りのレストランは雰囲気がいいし、屋外のベンチでもゆっくりできそう…と一応書くけど、当日は海風がえらく強くて吹き飛ばされそうになって大変であったのよ。
空港にも近いので、旅の最初か最後に1泊ってのもいいかな?と宿泊費を確かめたら…あ、やっぱりいいお値段ねー(^_^;)。

再び中心街に戻り、今度は新基橋を渡って棚屋の間を歩く。
以前訪ねたときと違う印象を受けたのは、天気がよかったのと家々にまだ春聯などが貼ってあったからかな。しばらく天気がよかったせいか、運河の水は少なかったなあ。

以前は行けなかった楊侯古廟までたどり着いた。
大きな旗がたくさん立っていて、強い風にたなびいている。この廟の向こう側に建設中の長い橋が見えたのだが、あれが噂の港珠澳大橋か…って写真撮ってなくてすみません。

ようやく小腹も空いてきた。手軽につまめる小食として、魚丸と雞蛋餅をいただいた。

帰りは東涌までバスで出てMTRで香港島へ。途中、中環にあるニコがオーナーを務めるクッキーショップ鋒味に寄って、茶餐廳クッキーなどを購入。

オーナーは不在でしたが(笑)、立て看はあった。

ホテルに戻ってまずは一休み。夜は映画に行こうか飲みに行こうかあれこれ考えたのだけど、まだ余裕もあるので中環へ飲みに行くことにした。

行ったのはSOHOにあるクラフトビールのお店、何蘭正
たくさん飲んでしまうとヘロヘロになるので、とりあえず一杯ってことで。
選んだのは香港製造のクラフトビール、CityBrew(城醸)のin the mood for spring saison。ちょっと花様年華っぽい名前が気になって、気持ちよく春の酔いを感じておりました。つまみはフレンチフライと枝豆。英語でもedamameっていうのはホントだったのねー。



飲んだ後はやはり甜品が欲しくなったので、ずっと行きたいと思っていた香港最古の糖水舗、源記甜品専家へ。ホテルにも近いのが実にありがたい。8時過ぎてもえらく混んでいるお店で、さすが老舗。ここでは看板メニューの桑寄生蓮子茶を注文。優しい味で疲れが取れるようだった。

あっという間に旅も折り返し。ここ2日とも遠出したので、次の日こそはいつも行ってる場所に行き、映画も観たいと思ってさっさと寝たのでした。

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春光乍洩單身修学旅行2・香港編1

18時発の澳門からのフェリーは、19時半に上環のマカオフェリーターミナルに到着。
Google Mapsを見たら、西營盤にある華麗都會酒店(グランドシティホテル)までは歩いていけそうだったので、ひーひー言いながら海沿いの干諾道西を歩き、ヒーヒー言いながらキャリーを持ち上げて歩道橋を上った。

30分後にホテルに無事チェックイン。西營盤はこれまであまり行くことがない場所ではなかったけど、2年前にMRT港島線が香港大学まで延線し、ガイドブックにも紹介されることが増えてきたので、今回は九龍ではなく久々に島に泊まりますか、と予約したのでした。
ちなみに島に泊まるのは、あのマンダリンオリエンタル泊以来。つまり震災直前の6年ぶりか…。

部屋はオーシャンビュー。朝ホテルの窓から撮ってみた。ビルの隙間からだけど、ちゃんと見えるのは嬉しい。高い階だともっと眺めも良さそうだね。

お腹も空いたので、夜食を買いに外に出た。
正街の下り坂の方にあった茶餐廳で、香港では結構珍しい煎餃があったのでテイクアウト。結構時間がかかったけど、カリカリに焼きあがっててビールのお供には最高であった。好食♪

開けて3月27日。この日から本格的に始動。
まずはセブンイレブンで最新版の街道指南を購入。噂になってた1977年復刻版はさすがになかった。単独ページで載る地域もどんどん増加していくので、行かないところを眺めるのもまた楽しい。

早餐は正街にある翠苑にて。目玉焼きとハム入りのインスタントラーメンは香港の朝に欠かせない。日本じゃなかなか作らないしね(笑)

西營盤駅からMTRに乗り、尖沙咀で降りてまずは重慶大廈で両替。
当日は天気がよかったので、今までなかなか行けなかった南生圍に行くことにした。

『鐵三角』などのトーさんの映画や、後ほど感想を書く『霊幻道士 こちらキョンシー退治局』などのロケで数多く使われている南生圍。尖東站から西線に乗って元朗まで行き、駅前にある大家樂單車行で自転車をレンタル。お腹も空いたので、持ってきていたブラウニーを午餐代わりに食べて、いざ出発。

駅から青山公路へ進み、入り口を最初間違えてしまったけど、戻って湿地帯のサイクリングコースをひたすら飛ばす。コースの前半は運河沿いに走るけど、後半はどこかで見たことがあるような森や並木道に入る。えーともしかしてそのへんになんか埋まってるんじゃないか?とかつい思っちゃいたくなる(笑)。

森を抜けると、複数の休憩処があった。
その横道を入っていくと、小さな川(山貝河)と渡し船が。6元で自転車を載せて渡してもらえた。向こう岸はもう住宅街で、2時間くらいで元朗駅まで戻ってこられた。

元朗から途中乗り換えて、次に向かったのは前回の宿泊地だった觀塘。
apmへ行って、許留山でや楊枝甘露をいただいた。
疲れて甘いものが欲しかったのでちょうどよかった。
しかし許留山、最近はフードメニューも出しているのかと気づいたが、頼む勇気がなかったのであった。



同じapmの片隅ではこんなイベントも。昨年を代表する邦画となったアニメ『この世界の片隅に』のミニ展示。香港では30日からの公開で、残念ながら観ることは叶わなかったのだけど、この展示はSNSで紹介されていたので、見に行こうと思っていたのだ。物語や設定資料の紹介、そして香港の漫画家による「私の愛する香港の片隅」などが展示されていて、ささやかながら愛らしい片隅であった。

次はapmから觀塘の片隅こと、裕民坊へ。
ここのマクドナルド(世界で一番売り上げが高かったという話を聞いたんだが果たして?)はすでに閉店し、入り口も閉鎖されている所も多い。4年前と同じように、屋上まで上がろうと頑張ってみたのだけど、時間も遅かったり体力も消耗していて今回は完登できず。うーむ、残念。

今度来る時、この建物がまだあることを願いながら、MTRに乗って港島へ向かう。
ちょうどりえさんのこんなtweetを見かけていたので、場所を調べて太古駅で降りた。

鰂魚涌はいつもトラムで通っていて、この表側(写真左奥のカーブになった建物)はよく見ていたが、この中が話題の「怪獣大廈」で、先の記事にも挙げたこのMVにも登場している新名所が中にあるとは全く思いもよらなかったね。

そして中に入ると、本当にフォトジェニックな風景であった。
6時頃に撮影したのだけど、曇ってしまったので、あまりきれいには撮れなかったねえ。こんな感じですが許してね。

 

帰りはトラムでのんびり、2時間位かけて帰った。
晩餐はananにも紹介されていた金沙冰室へ。
まずは熱檸檬茶。



そして、パンにカレーライスがライスごと詰められていると炭水化物満載な農夫一口包にしてみた。カレーはベーシックなチキンカレーなんだけど、ご飯と一緒に食べるからものすごく食べがいがあって完食が苦しい…。で、結局完食できなかったのでした。ちゃんちゃん。

こんな感じですごした香港2日目でした。つづくっ!

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春光乍洩單身修学旅行1・澳門編

 実に4年ぶりの香港に、春休みを利用して行ってきました。
前回の香港行きの後から広東語の勉強を再開し、昨年ひとまず修了したので、もっと勉強したかったけど、ここでやっぱりちゃんと広東語聞きたい、そしてなんとか喋ってきたい!と思ったのと、昨年度は仕事がかなり大変で凹んでいたので、ここはやっぱり行くしかないだろうと。しかも往路は深夜便で取っちゃったから、最初の1泊は10年ぶりに澳門行くかなー、ちょうど『2度めのマカオ』も観たことだし、ということで、思い切って行くことにした次第。

 3月24日夜、年度末最後の仕事を終えてキャリーバッグを持ち、盛岡から新幹線に乗って東京経由で羽田に向かう。往路深夜便は7年前にも経験しているけど、もう体力もあまりないし、実は体調も崩していたので、飛行機では寝ることに徹して出国してからトイレで楽な服に着替え、搭乗後はアイマスクして耳栓して機内食もスルーした。途中起きたりもしたが、何とか睡眠時間は確保。
5時ちょっと前に香港に到着し、トイレで着替えてここからマカオへ…と思ったらつまずいた。空港から直接マカオに入ろうと思ってフェリー乗り場に行ったところ、カウンターが開いておらず、ベンチで待ってる人々が鈴なり。そこでしばらく待っていたが、よく見たら一番速くて昼前出発だったので、これは一旦香港入りしてマカオフェリーターミナルから行った方がいいと判断。
7時前に入国してAELで香港島まで行き、よろよろしながらMTR乗り換えで上環に行き、8時半発のターボジェットに乗る。当日は土曜だったせいか、大陸からのご老人団体客が大量ご乗船されていて、もう大騒ぎで大変。 なんとか無事にマカオに着き、バスでセナド広場を過ぎたところで降り、本日の宿である新新酒店に荷物を預けた。
ここで時刻は10時過ぎ。チェックインは14時なので、それまで食べ歩きしながらセナド広場周辺をぶらぶら歩くことにした。


澳門上陸後最初に食べたのが、黄枝記の鮮蝦雲呑麵。
日本を発ってから何も食べてなかったので、五臓六腑に染み渡ったわ。



その後は歩いてカフェ・エ・ナタへ。ここはいつも大賑わい。なんとか席を確保して、この旅初のエッグタルトを熱檸檬茶とともにいただく。



裏にあったもう一つのカフェ、金船餅屋でもエッグタルトをテイクアウト。
これは食べ歩き用に。



聖ポール大聖堂を横に抜け、すっかり名所となった恋愛巷へ。
このアングルは、やっぱりイザベラを思い出すねー。



ここには恋愛電影館という映画ミュージアム&ミニシアターができたのだけど、まだ開館前だった。

雨も降って足場も悪かったけど、チェックインまで時間もたっぷりあったので、恋愛巷から前回も行ったリアルセナド(民政總署)や福隆新街を散策し、思い切って海の方まで歩くことにした。
↓こちら民生總署。



福隆新街。大手のお土産店である鉅記が複数出店していて、かつ土曜ということもあって大賑わい。一部緑に塗り替えられた一袋もあり、そこもまた悪くない雰囲気だった。



フェリーターミナルからの終点地にもなっている媽祖閣。
香港や台湾の天后廟と似ているようで異なるのは、山沿いに廟が作られているからか。上まで登ったけど、眺めは…まあ、昔はよかったんだろうなというような感じでした。

ここは媽閣廟から10分くらい歩いたところにあるリラウ広場の近辺。
そこからさらに歩くと、近年一般公開が始まった鄭家大屋に着きました。
コロニアル様式の建物もいいけど、中華式の重厚さもやはり好きである。
結婚式のアルバム等で使われるのかなー(当日は撮影なかったけど)

このように雨に降られながらあちこち歩いているうちに、チェックインの時間になったので再びホテルへ。夜行で来たし、午前中でかなり歩いたので疲れたし汗でベタベタにもなったので、シャワーを浴びて夕方まで寝ていたのでした。

晩餐はポルトガル料理かマカオ料理にしたいけど、10年前みたいな失敗はしたくないし、どこかイートインで食べられるところを…と思ってSNSで聞いてみたら、ザ・ヴェネチアンに手頃なイートインがあることがわかったので、ホテル前からバスに乗ってコタイ地区まで行く(ちなみにギャラクシーまでしか行かなかったので、そこで降りて10分ばかり歩きましたよ)
そういえば、10年前にはなかったんだよね、コタイという場所は…。

こちらがギャラクシー。『2度めのマカオ』で紹介されていたバー・貝隆飲み放題プランもひかれたけど、酒飲む気分じゃなかったのでパス。

こちらがヴェネチアン。フードコートにローカルなマカオ&ポルトガル料理店の新口岸葡國餐が出店していたので、ここで焗葡國雞を注文。骨付きチキンのポルトガル風シチューといえばいいのだろうか?骨が多いけど、辛さがなく食べやすかった。



デザートは別のお店で食べた木瓜冰糖雪耳。



食事の後はショッピングモールを散歩。ものすごく広いので大変だったけど、なかなか面白かった。コンサートホールの金光綜藝館近く(多分。この夏學友さんが演唱會やるらしい)ではよくわからん韓国アイドルのライヴを控えて若い女子がいっぱいいた。カジノはサラッと覗くだけ(後で母に話したら行ってやりたいって言ってたけど、さすがにこちらは貧乏トラベラーなもんでね)。
あと、広東語よりも普通話の方がよく聞こえたのが印象に残った。まあ、そういうことか、と。

腹も満たされたのでヴェネチアンを出て、またギャラクシーまで歩いてバスを捕まえ、ホテルに戻る。かなり歩いたし、疲れてもいたので早めに就寝。

3月26日日曜日、この日も天気はあまりよろしくなかった。
早餐はやっぱりお粥よね、ということでセナド広場の奥にある洪記へ。

朝7時頃の雨のセナド。観光名所とは思えないほど静かだった。

そんなわけで豬潤瘦肉粥。雨降りの中、屋台のテントに潜り込んで熱々を食べる嬉しさよ。

この日は昨日の夜よりもっと南に下り、コロアン地区を回ることにした。
タイパも行きたかったけど、まあ次の機会にでもと今回はパス。
ホテル近くからは直で行けるバスがなかったので、タクシーを拾って向かった。

コロニアル調で統一された建物がステキ。ザビエル教会もあれば譚公廟や天后廟もある中洋折衷感が面白い。調べたらホステルもあるようで、ここで宿泊というのもアリなのかな?

これは譚公廟にあった船の模型。

当日は日曜なので公共機関も休みだし、雨で人出も少なかった。晴れた日に来ればまた雰囲気が違うのだろうな、と思い、クルッと回ってバスターミナル周辺に戻り、お馴染み安德魯餅店でエッグタルトやブラウニーを買う。

アンドリューのエッグタルトという名で日本でもお馴染み。
先日地元にもイベント出店してくれたので買ったけど、やっぱり焼きたてが一番美味しい。

コロアンの桟橋。川の向こうは珠海。
ここから境界を越えるのではなく、市街地に船で行ければ便利かな。

だいたい一周りしたので、バスに乗ってセナド広場まで戻る。
これまで歩いたことがなかった山間の市街地をぶらぶらしつつ、openriceで午餐できそうな場所を探すと、新鴻發咖琲美食というお店を見つけたので、ここで豬扒包を食べた。
食べごたえある…。

相席は小さな男の子を連れた若いお母さんだった。思わずにっこり。
その後は盧廉若公園あたりをあれこれ散歩。
(下の写真は違うんだけどね。名前失念)

そこからモンテの砦まで歩けてしまったので、登って10年ぶりににこういうバカなことをやり(前回はこちら)、聖ポール天主堂側に抜けた。当たり前だが人は多かったわ。日曜だったしね。

セナド広場まで降りてきたので、さてお土産を買うか、と件の鉅記に入ったが、どこのお店も買い物客がすごすぎて、ゆっくり選べたものじゃない。それならと、10年前に来た時にはこっちの方が混雑していた咀香園餅店に入って(リンク先はタイパのお店)、エッグロールをいくつか買った。

ホテルへの帰り道に貢茶に寄り(そういえば春水堂は見かけなかったな…)三兄弟奶茶という、タピオカ&仙草&プリン入りのミルクティーをテイクアウト。すでにチェックアウトしていたので、荷物を引き取ってキャリーを詰め替え、教えてもらったバス停からフェリーターミナルヘ。混んでいたので予定より遅い18時発のフェリーで香港へ向かった。

10年ぶりに行った澳門だけど、前回は日帰りだったしセナド周辺しか歩いてなかったので、新しくできたコタイや小さな港街だったコロアンに行けたのは面白かった。それでもごく一部しか回れなかったので、また近いうちに1泊か2泊くらいで行きたい。今回は天気が悪かったのが残念だったしね。

そんなわけで、次回からは香港編です。

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【お知らせ】最近のネタを備忘録的に上げつつ、そろそろ復活します。

ああすみませんすみません、また1か月以上間を開けてしまいました。

さて、最初にこの休み期間に話題になってたMVネタなどを備忘録的に。
ここしばらく話題になっている五月天のMVには、ワタクシも注目いたしました。
まさかこんなウルトラなネタでくるとは!
「少年漂流記(少年他的奇幻漂流/Life of Planet)」自体も好きな曲だったので、かなりぐっときましたよ。現在人生無限公司ツアーで中華圏各都市を回っている五月天だけど、来年初頭あたり東京ツアーを追加して、円谷プロ協力によるステージングなんてものが実現しないかしらん。

もうひとつはこれ。MONDO GROSSOのアルバムで、満島ひかりちゃんがヴォーカルを取る歌のMVがこれでびっくりですよ。
この春の旅で行ってきたところがバンバン登場するので、もう楽しくて楽しくてしょうがないのでした。

さて、文フリも終わり(新刊は無事刊行できましたが、都合により通販はまだ行いません)、いろいろネタも溜まりつつあるので、そろそろ復活します。
まずは春の澳門&香港旅行記を作成せねば。現在澳門旅行記執筆中です。

上の写真は市ヶ谷と代官山に相次いでオープンし、今度関西進出も果たす香港式茶餐廳・華記。2か月連続でここにも行ってきたし、夏休みには都内に相次いでオープンした港式&台式甜品店にも足を運び、記事を書きたいです。

あと、これは春の香港で楽しく観てきた、香港映画次世代の希望の星ベイビージョン・チョイくん主演のキョンシー映画《救殭清道夫》。この映画がなんと、『霊幻道士 こちらキョンシー退治局』という邦題で日本公開が決定しましたよ。日本初公開はシネマカリテのカリコレでだそうですが、その後全国順次上映もあるようなので、こっちまで来るように呪って…じゃなかった願っておきます。

そうそう、上映といえば、まだ感想を書いていない(5月の連休に鑑賞済)『イップ・マン 継承』は、我が街では9月上旬上映です。ああ、スルーされなくてよかったよ…。



このマナーCMが今市内の劇場でも流れています。ああ、嬉しい…。
映画の感想も9月くらいまでには全て書きたいと思います。頑張ります。

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【お知らせ】いろいろ絶賛執筆中につき、6月中旬までお休みします。

你好嗎?我叫本橋。と珍しく中国語で書き始めました。

えー、台南旅行記&映画鑑賞記を書き終わってすぐ、10年ぶりの澳門&4年半ぶりの香港へ旅立ち、大いに楽しんできたのですが、その後やはり予想通り年度始めの激務がやってきて、気がつけばもうすぐ夏ではありませんか(愕然)。

いやまあ、そんな時にも地元では『人魚姫』やってもらえたし、連休から今月は『牯嶺街少年殺人事件』『百日告別』(お陰様で2回も観てしまった…(;_;)、そして『私の少女時代』も再見できた。そういえば五月天ライヴの翌日には『残酷ドラゴン』も観たし、連休には新宿で待望の『イップ・マン 継承』も観たのよー。後は録画してた香港映画もあれこれ観たし、その感想も書きたいのだけど、いかんせん時間がないし、PCの調子も悪くてね。

そして今年も参加する文フリ岩手まで、ついに1か月切ってしまいました(汗)。
webカタログでは、今年も台南旅行記を新刊で出す予告をしていたのですが、ちょっと微妙な状況になっております。もちろん新刊は出すことは出すのですが、旅行記じゃないものも書いているのですよ、あはははは。

それ以外にも結構公私共に詰まってますので、6月中旬くらいまでまたまたblog更新をお休みします。もちろんその間にあれこれ記事は書きためておきますので、ぼちぼちにか、あるいは一気にUPいたしますのでよろしくです。

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というわけでこの写真は、現在改装中の星光大道に代わって、チムの地下道に描かれている歴代の香港映画のウォールアートの一部。
似てる…かな?どうかな?

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『浪漫的逃亡 遊日非流行指南』五月天阿信

昨年から参加している文学フリマにて、ここ数年の台南旅行をまとめたZINEを製作&頒布しているけど、ワタシはもともとネットを始める前から所属していた同人サークルで旅行記や留学記をまとめてもらった経験があるので、それを思い出しながら製作している。
近年は同人界隈以外でもZINE製作が盛んで、しかもオサレでレイアウトが素敵なものが多い。そんなステキZINEをギャラリーや文フリ会場で見てしまうと、字と写真時々イラストでしか勝負できない自分はセンスの無さにしばし打ちのめされるが、ダサいといわれようが作りたいものは作りたいんだ、と決意して作っている。とか言いつつも、仕事の合間に書いたり製作するしかなく、その仕事も近年はかなり忙しくなっているので、毎回間に合わせみたいになってしまうので反省している。
今年はたたき台の旅行記も早く書けたし、地元で台湾映画もまとめて上映してくれるので、旅と映画の二本立てで作るかなと思案中。

さて、前置きはこのへんにして本題。
先日の武道館ライヴでやっと五月天に落ちた(ははは^^;)ワタクシですが、2年前の初武道館前決定の報を聞いた頃に、台北でこの阿信の日本旅行エッセイを買ってきました。先の記事にも書いた通り、当時は仕事とバッティングしたので上京を泣く泣く諦めたのだけど、その代わりにと思って購入。拾い読みはしていたけど、ライヴから台南旅行を経、ZINE作成の参考にと思って再読したので、やっと感想書けます。

2008年に発行され、第8版記念の新装版(だと思う。14年の時点で44刷。1回の刷数が日本ほど多くないのだろうね)で購入。
1999年の五月天デビュー前から大学の研修旅行で、デビュー後はレコーディング(2012年に営業を終了した河口湖の一口坂スタジオを利用していた様子)やライヴで、もちろんプライベートでも度々日本を訪れている阿信が、学生時代の専攻だった建築を中心に、90年代後半から2000年代中盤までの約10年間、東京近郊・京都・大阪・奈良などを回って見たこと・考えたことをまとめたこのエッセイでは、自らの旅を「非流行」と呼んでいる。日本で流行している場所に行ったり、流行りのアイテムを買ったり食べたりだけではなく、自らの興味・関心の赴くままの旅をしよう、というコンセプトらしい。
写真もこの10年間で撮りためたものをふんだんに使っているので、日本の街並みや変化もよく分かる。

東京編は明治神宮から始まり、代々木室内競技場や新都庁、表参道ヒルズなどの日本を代表する建築家たちの代表的な建物を紹介する。「新都庁は実は変形合体ロボ」ってネタまで盛り込みつつ(全世界的に有名なネタだよね)、丹下健三や安藤忠雄の仕事を紹介する。表参道ヒルズは建設前の同潤会アパートの写真と比較していて、ああ、そうだったよなあと思い出させてくれる効果もあり。
ここで好きなのは東京国立博物館。東博は近年TVドラマのロケで外観や内部が使われたりするのでそのへんお馴染みだけど、ページ数も多く、谷口吉郎・吉生と二代にわたる建築家の手によるものと紹介されているのがよかった。
もうなくなってしまったさいたま副都心のジョン・レノン・ミュージアムも彼の聖地。そう言えば行かないままだったな…。

左がカバーを外した本体。右のカバー裏が阿信のピンナップになってる。

後半の関西編はテーマがもっと広がる。
「東京が台北なら京都は台南、そして大阪は高雄」で始まり、大阪のカラフルな商店街の写真も並ぶ。そこに混じって目を引いたのは、阿信自らが描く火の鳥。とくればもうお約束の、宝塚の手塚治虫記念館。子供の頃は漫画家になりたかったけど、その夢は叶わなかった、でも『火の鳥』に出会って心打たれたというような始まりから(すいません不完全で)、茨木春日丘教会(安藤忠雄設計の光の教会)や奈良の写真美術館などを訪問。その間に好きな日本文学の話も挿入される(山本文緒の「プラナリア」と村上春樹)。
京都では和菓子作り体験や金閣寺炎上事件などに思いを馳せながら、修学旅行的なスポットを紹介し、最後にたどり着いた鴨川で、再び学生時代のことを振り返る。

エッセイ部分はわりとフィーリングで読んじゃってるので内容はあまり詳細に紹介できないのだけど(自らの学習のためにいつか翻訳しようかな)、自ら率いるstay real studioが手がけるブックデザインもいい感じ。スクラップブッキングをそのまま見せてもらっているようで、見るだけでも楽しい。旅行記を作る上ではかなり参考になるなあと眺めているのでした。

ワタシも香港や台湾に行き始めてもう長くなっている。行く理由としてはまあいろいろあるけど、決して流行りだから行っているわけじゃない。もちろん食欲もあるし注目のスポットも行くけど、基本的には自分の興味の赴くままに歩いている。もちろん、映画も観たいしね。そんな気持ちを持つと、この本での日本の旅の仕方に共感する。
昔読んだ哈日杏子嬢の日本大好きエッセイでは、「なんでそこまで日本大好きって言えるの?」と大いに戸惑ったのだが、流行りだからというわけでなく、日本が旅行先として最適で、そこで面白いものに出会えたり、大いなる刺激を受けられるからなのかなあとしばらく前から思うようになった。スタンス的には要するに一緒、って考えてもいいのかな。

阿信同様、いままでもこれからも「浪漫的逃亡」で香港や台湾に行くことになるのでしょう。てなわけでここしばらくの台湾旅行記のタイトルにこの本の題名を拝借し、今年作るZINEにもそのまま使うことにしたのでした。とちゃっかりしていてすみません。許してね>五迷の皆様。そんなわけで今年の台湾旅行話エントリはここで一区切り。

実は現在、澳門&香港旅行を控えているのですが、その間にもZINEの構想を練ることになるでしょう(^_^;)。はい、頑張ります。

↓おまけです。武道館ライヴはやっぱり楽しかったねー。

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《健忘村》(2017/台湾・中国)

3年前、『祝宴!シェフ』で16年ぶりに台湾映画界に復帰を果たした陳玉勳。もう面白くて大好きで、思えばこの映画があったから台南に通うようになったと言ってもいいくらいなんだが、大ヒットを飛ばした次は何年後?また10年開くの?と思ったら、さすがにそんなことはなかった。と言うかFBをチェックして驚いた。え、今やホウちゃんのミューズとして知られるすーちーが主演?そして時代劇?で、題名が健忘村?

時は清末民国初期。幼いころに父親とともにある村に移り住んだ秋蓉(すーちー)は王村長の息子丁遠(トニー・ヤン)と将来の約束を交わしたが、彼は3年待てと行って村を出てしまい、彼女が気に入らない村長は秋蓉と物売りの朱大餅を無理やり結婚させてしまう。
ある日、行商から帰ってきた大餅が死んでいるのが発見された。正確に言えばこれは、戻らない丁遠を待ち続けながら大餅にこき使われる生活に絶望した秋蓉が死のうとしてネズミ捕り薬を混ぜた包子を大餅が食べてしまったという事故であった。秋蓉に思いを寄せる萬大侠(ジョセフ)は彼女をかばうが、村長は秋容が殺したと疑う。
そんなギスギスした村に、天虹真人と名乗る怪しい男・田貴(王千源)がやってきて、周代から伝わる万能機器で、人々の悩みや煩悩を忘れさせる「忘憂神器」を村人に見せる。村長は彼を疑って幽閉するが、最悪の状態から脱したい秋容は迷いながらも彼を信じる。しかし、散々な目に遭わされた田貴は、忘憂機器を悪用して全ての村人の記憶を奪い、秋容を自分の妻に仕立てて村長に収まり、村を支配してしまう。
のんきで不自然なパラダイスと化した村。どうしてもここを支配下に置きたい隣村の実力者石剝皮(エリックとっつぁん)は郵便配達に身をやつした侠客集団の頭領・烏雲(林美秀)を村に送り込む。実はこの集団に丁遠が加わっており、先んじて村に帰るのだが、当然ながら村はすっかり変わっていて、これまた大騒ぎになり…。



すーちーが台湾語で語る予告編をどーぞ。しかしこのサムネイルだけ見ればなんかるろけんっぽい。ってなぜ侠女じゃなくるろけんを思い出す…。

予告にもある「村長好~♪」のポーズ付き挨拶は笑えるんだけど、中盤でまーさーかーそーゆー展開かあ!と驚愕>予告だけだとすーちーだけがそうなったのかと思ったので。
悲しいことは忘れたいけど、もしも誰もがみんな忘れてしまったら?というのがテーマかな、と思って観ていた。今回は初の中国との合作&初の時代劇でしかも賀歳片ということで、いつものようなひねりを加えずに割とストレートに行ったのかな、と思ったりして。とは言ってもちょっとブラックユーモアも効いている。小ネタの応酬も相変わらずだけど、祝宴よりは抑えめになっているのは、大陸向け対策?
でもねー、その大陸向きっていうのがあってなのかな、もちろん大笑いはできたんだけど、なにか物足りなかった。何が物足りなかったって、ユーシュン作品の魅力はやはり台湾ローカルのコテコテ感にあるのだから、それが大作になって出しづらくなったんだろうなってことなんだけど。コテコテにするなら、台詞を全編台湾語にしちゃうのも手だったか?(こらこら)
しかも大陸では上映前にこんなことになっちゃうし。あの映画には特に政治的メッセージは感じなかったけどなあ。多分ない…と思うんだが、深読みは…あまりするまい。

物足りない物足りないとは言うけど、それでもキャストの演技は楽しかったですよ。
この撮影が終わってからステと見事なゴールインを果たしたすーちーは、刺客の次にこれなので、いやあもうかわいいかわいい。大陸から呼ばれた王千源は『ブレイド・マスター』や近日感想を書く予定のアンディ主演『誘拐捜査』などでシリアスな演技を見せていたけど、何やっぱりコメディアンだったの?まあコメディアン顔だとは思っていたけどね。(それを言うたら王寶強もコメディアン顔か?)
前作の“台湾のビヨンセ”っぷりが未だに強烈な林美秀は、今回はうって変わって本編ではほとんど笑わない女刺客(!)。もちろん観てる分には笑えるんですけどね。彼女の部下たちのボイパ(ボイスパフォーマンスね)は楽しい。これで威嚇したりするもんだからなおさらね。
でも今回一番面白かったのがジョセフかなー。初見からどシリアスな役どころばかり続いてたからだろうけど、今回彼が演じた萬大侠はもう見事なまでの脳筋キャラで、件の立派な二の腕も見事にその威力を見せる。笑えるジョセフをほぼ初めて観たからってのもあるんだけど、クライマックスはホントに笑った笑った。

まあ、感想はこんな感じかなあ。結構さっくりしててすみません。もう一度観たら感想も変わるかも。
んじゃ、最後は楽しくこれで締めますか。

英題:The Village of No Return
製作:リー・リエ&イエ・ルーフェン 監督&脚本:チェン・ユーシュン
出演:スー・チー ジョセフ・チャン ワン・チエンユエン リン・メイシウ トニー・ヤン クー・ユールン エリック・ツァン  

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《擺渡人》(2016/中国・香港)

 今年の米国のアカデミー賞は作品賞の取り違えばかりが話題になったけど、その賞に選ばれた『ムーンライト』は、ゲイの黒人青年の成長を描いていて、同性愛者が主人公の作品として史上初めての受賞作だという。それと同じくらい話題にしていいと思ったのは、監督のバリー・ジェンキンスが王家衛の影響を受けているとはっきり公言していること。SNSでムーンライトの各場面と王家衛作品の比較動画が回っていて、いやいやいくらなんでもそれはこじつけすぎでしょ?と疑ってかかったのだけど、次の動画を見たらジェンキンスさんがガチで王家衛好きだったってことがわかって見直した次第(こらこら)。


 ああ、今や王家衛チルドレンは中華圏やアジアだけでなく、米国でも生まれているのか…と妙に感慨深くなってないで本題に行くが、その王家衛が率いる澤東電影公司も昨年で創立25周年を迎えたとのこと。自らの作品の製作を中心に、若手映画人への映画製作のサポート(張震監督×五月天石頭主演の短編《三生-尺蠖》も製作)、トニーや張震、台湾のアリス・クーやサンドリーナ・ピンナのマネージメント等も行って確実に仕事しているのを感じるのだが、その創立25周年記念として作られたのが、トニーの3年ぶりの主演作となる《擺渡人》。中国の作家張嘉佳による同名短編小説を原作者自らがメガホンを取ったもの。ちなみに原作はもともとネット小説だったそうだけど、現在は短編集『從你的全世界路過』に収録されて読めるらしい。気がついたら台湾で買っておけばよかったかな。


 舞台は上海あたりにあるバー「擺渡人」。経営者の陳末(トニー)は自らを擺渡人(フェリーマン)と名乗り、困っている人を助けるために奔走している。彼がこの商売を始めたのは10年前に出会ったバーテンダーの何木子(杜鵑)と出会って恋に落ちた後、ある事件で心を病んでしまったことがきっかけ。
 パートナーの菅春(金城くん)は、幼馴染の毛毛(サンドリーナ)に恋をしているが、老舗の焼餅屋を引き継いだ彼女は管春のことを全く覚えておらず、しかも名物だった焼餅はものすごく評判が悪く、店も危機を迎えていた。管春は彼女に振り向いてもらえるべく奮闘する。
 新しく擺渡人で働き始めた小玉(angelababy)は、幼いころに出会った馬力(ルハン)に恋をしていたが、現在の馬力(イーソン)は国際的な歌手となり、婚約者の江潔(リン・ホン)もいた。しかしある夜、擺渡人で彼はトラブルを起こし、江潔とも別れて再起不能にまで陥る。小玉は彼を自分の家に連れて帰り、復帰を手助けすべく擺渡人となることを決意する。

 …と、このような3つの物語をベースにして、山雞(サム)と十三妹(クリス・リー)というどっかで聞いたことのある名前の古惑仔兄妹が登場したり、懐かしのアーケードゲームが出てきたり、9つのバーをはしごして、提供されるお酒を飲み歩いて勝負するバー・ゴルフなんてものが行われてしっちゃかめっちゃかの大騒ぎ。まるで往年の香港映画のようなカオスなノリが全編を覆う。音楽も実に雑多で、無間道なあの曲から、なんでそこでこんな日本語曲が(ダイレクトな世代ならきっと爆笑なんだろうが、あいにくね)!まであれこれ。こういうカオスさの一方、陳末と何木子の失われた恋模様や全てを忘れた毛毛のために自らを犠牲にしてまで恋心を思い出させようとする管春のひたむきさは、確かに王家衛的モチーフでもあるし、遠回しに見れば村上春樹的であって、この原作者がいかにハルキ&王家衛チルドレンであるかというのは推測できるところである。
 …ただ、聞いた話だと、原作は全然全くこれっぽっちもコメディじゃなく、もっと切ない恋愛ものらしいようなのだが、なんでこうなった。

 封切当初は大ヒットだったものの、後から公開された星仔&徐克コンビの《西遊》に追いぬかれたり、大陸では酷評、香港でも旧正月映画の始まりと同時に終了したと聞く。(そういえば大陸ではトニーの声が北京語吹替と聞いてもしや台湾でも?と心配したが、トニーやベイビー、イーソンなどの広東語スピーカーはそのままだったのでホッとした)3年ぶりの王家衛製作作品、トニーも3年ぶりの主演、共演も金城くんやイーソン、脇にサムと香港度は確かに高いし、セルフパロディ的なモチーフだったり往年の香港映画にリスペクトを捧げているのがよくわかるし、これまで25年間澤東作品や90年代の香港映画を愛してきた我々にはご褒美のような作品であることは確かである。
 でも、それならいくら中国大陸で作ったとはいえ、香港を舞台にすべきじゃなかったのかなあ。それが実現できていたら、もうちょっとポイントは高かったかもよ、原作者さん。初監督&大物スタッフ&キャストでちょっとはしゃぎ過ぎてる感も多少覚えた。

 そんな作品でもトニーは楽しそうだし(まあ、王家衛に付き合うと長年かかるからね)、金城くんも笑かせてくれるし、イーソンもいい具合に演技派歌手っぷりを見せてくれるから、その点においてはちょっと甘く見ちゃう。女子だとベイビーよりサンドリーナがいいな、やっぱし。ちょっと出の皆さんも結構豪華で、特に台湾方面の大物も出ていて面白んだけど、アリスが出ていたのは気づかなかったよー。

 もしかしたら、こういう90年代的ノリの映画ももう中華圏では時代遅れなのかもしれない。先ほども書いたけど、もしこの映画の舞台が香港だったら、やはり多少は変わったのだろうか?香港映画も変わりつつあり、中華圏の映画に関わり続けている澤東もその傾向はよく気づいているだろうけど、今後この会社がどうなっていくのかということも気になるなあ。台湾でのプロデュースももちろん、もうちょっと香港でもやってくれてもいいのよー、などと勝手な希望を書いて感想は以上とします。

英題:See you tomorrow
製作:ウォン・カーウァイ ジャッキー・パン 監督&原作&脚本:チャン・ジャージャー 撮影:ピーター・パウ 編集:デビッド・ウー 衣裳:ウィリアム・チャン 音楽:ナサニエル・メカリー アクション指導:谷垣健治
出演:トニー・レオン 金城武 Angelababy イーソン・チャン サンドリーナ・ピンナ リン・ホン トウ・ジュエン ルハン クリス・リー サム・リー ジン・シージエ キン・ジェウェン アリス・クー 

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